中部大学研究紹介2025
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20キーワード相談に応じられる内容図1:スパッタ成膜中の風景図2:透明で電気が流れる薄膜(透明導電膜)環境調和型薄膜の合成とデバイスへの応用YAMADA Naoomi工学部 応用化学科教授山田 直臣薄膜形成技術、導電性酸化物の開発、導電性物質の評価 など近年、地球にやさしいクリーンなエネルギー源や環境浄化作用を有する材料が強く望まれています。当研究室では、薄膜技術を通して、このような環境調和型のエネルギー源や材料に関する研究・開発を行っていきます。薄膜合成には、スパッタリング法を使用します。スパッタリング法とは、ターゲットと呼ばれる出発原料をプラズマによって気化し、基板上へ原料物質の薄膜を堆積させる方法です。スパッタリング法は、工業的に確立された手法で、多くの産業分野で用いられています。合成中の様子を図1に示します。一例として、図2にスパッタリング法で作製した透明で電気の流れる薄膜、透明導電膜を示します。安価で高性能な透明導電膜を、大面積基板上へ高速に成膜することは重要な開発項目の一つです。【研究テーマ】●新しい透明導電体の開発●可視光に対して透明な半導体材料●酸化物をベースとした薄膜太陽電池●薄膜のあたらしい合成方法の開発薄膜、スパッタ法、透明導電膜、太陽電池キーワード相談に応じられる内容キーワード相談に応じられる内容燃焼灰の構造解析による燃焼条件の最適化 NINOMIYA Yoshihiko  工学部 応用化学科特任教授二宮 善彦固体燃料のクリーン燃焼法に関する研究、燃焼灰の有効利用石炭やバイオマス、廃棄物などの固体燃料の燃焼プロセスから排出される飛灰(フライアッシュ)には、未燃炭素や環境に有害な形態の重金属類が含まれることがある。燃焼効率の向上や微量有害成分の放出抑制には、燃焼プロセスの反応解析が必要で、そのためには燃焼灰中の未燃炭素の微細構造などの情報を得ることが重要となってくる。燃焼灰に含まれる炭素や重金属元素の化合物形態の分析には、粒子解析機能を有する分析型走査電子顕微鏡(CCSEM)が有効である。当研究室には、世界でも十数台しか稼動していないCCSEM (Computer Controlled Scanning Electron Microscopy) があり、各種燃焼灰の微細粒子構造の解析に関する研究に役立てている。 CCSEMとはSEM画像上の粒子群を画像処理の2値化処理によって個別粒子として認識させ、それぞれの粒子のEDSによる元素分析を自動的に行わせ、数千個レベルで個々の粒子に関して粒径や空隙率などの粒子情報と元素データを取得する方法である。最近は、深層学習(ディープ・ラーニング)ベースの画像処理技術とを組み合わせた新しい化学形態分析法の研究も進めている。【研究テーマ】●ディープ・ラーニングを活用したフライアッシュ粒子の形態分類と粒子 の溶融機構の解明クリーン燃焼法、高効率燃焼法、PM2.5、CCSEM、画像処理、深層学習(ディープ・ラーニング)工学部工学部

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