中部大学研究紹介2023
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20キーワード相談に応じられる内容燃焼灰の構造解析による燃焼条件の最適化 NINOMIYA Yoshihiko  工学部 応用化学科教授 二宮 善彦固体燃料のクリーン燃焼法に関する研究、燃焼灰の有効利用 石炭やバイオマス、廃棄物などの固体燃料の燃焼プロセスから排出される飛灰(フライアッシュ)には、未燃炭素や環境に有害な形態の重金属類が含まれることがある。燃焼効率の向上や微量有害成分の放出抑制には、燃焼プロセスの反応解析が必要で、そのためには燃焼灰中の未燃炭素の微細構造などの情報を得ることが重要となってくる。燃焼灰に含まれる炭素や重金属元素の化合物形態の分析には、粒子解析機能を有する分析型走査電子顕微鏡(CCSEM)が有効である。 当研究室には、世界でも十数台しか稼動していないCCSEM (Computer Controlled Scanning Electron Microscopy) があり、各種燃焼灰の微細粒子構造の解析に関する研究に役立てている。 CCSEMとはSEM画像上の粒子群を画像処理の2値化処理によって個別粒子として認識させ、それぞれの粒子のEDSによる元素分析を自動的に行わせ、数千個レベルで個々の粒子に関して粒径や空隙率などの粒子情報と元素データを取得する方法である。最近は、深層学習(ディープ・ラーニング)ベースの画像処理技術とを組み合わせた新しい化学形態分析法の研究も進めている。【研究テーマ】●ディープ・ラーニングを活用したフライアッシュ粒子の形態分類と粒子 の溶融機構の解明クリーン燃焼法、高効率燃焼法、PM2.5、CCSEM、画像処理、深層学習(ディープ・ラーニング)キーワード相談に応じられる内容有機典型元素化合物の合成と反応、構造に関する研究NIYOMURA Osamu 工学部 応用化学科教授 饒村 修有機化合物の合成・反応・構造解析 含窒素複素環化合物[ 例えばインドリジン(左図A)や2-アザインドリジン(同B)] は、医薬品化学や工業化学など幅広い分野で利用され、我々の身の周りにおいて重要な役割を果たしている。一方、有機セレン化合物はその特異な反応性から様々な有機合成に用いられ、その有用性が示されている。また、生体における微量必須元素であり医薬品開発においても近年注目されてきている。 当研究室では、この様な複素環骨格を持つセレン化合物を中心とする新規有機へテロ原子化合物を合成し、得られた化合物の反応性や構造に関する研究を行っている。さらに、得られた化合物の性能(反応性や触媒活性、薬理活性、材料としての物性等)を評価し、分子構造と機能の相関を明らかにすることを目的としている。そして、有機合成化学や医薬品化学、材料化学の分野等への応用が期待できる機能性分子の創出を目指している。【研究テーマ】●複素環骨格を有するセレン化合物の合成と生物活性に関する研究●硫黄およびセレン化合物の酸化反応における触媒能に関する研究●蛍光発光特性を有する複素環化合物の開発●典型元素の特性を生かした新しい有機合成反応の開発典型元素化合物、複素環、窒素、リン、酸素、硫黄、セレン、酸化、生物活性、触媒反応NNNNCNSeO22-PyCONHN2-PyNCNNH22-PyNN2-PyNNSe2-PyNNSe2-PyNNSe2-PyNNSeO2++Indolizine2-Azaindolizine二酸化セレンを用いたインドリジンおよび2-アザインドリジン誘導体の合成AB工学部工学部

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