中部大学研究紹介2023
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21キーワード相談に応じられる内容DMP 機能性高分子の精密制御合成と応用HABAUE Shigeki工学部 応用化学科教授 幅上 茂樹高分子材料の構造制御、機能制御法の開発、評価、有機合成・反応開発、有機合成を基盤とした高分子材料の開発 機能性高分子の精密制御による合成・開発を研究している。 この研究により、例えばその廃棄・処理が大きな社会問題となっているアスベストなどを無害化し、新たな機能を有する新材料を作り出すことも可能である。【研究テーマ】●アスベストの無害・高機能化新合成法の研究(左上図) アスベストを酸処理無害化した繊維状シリカを出発原料として用い、新規 なシリコーンポリマーへと変換する手法の開発に成功した。この手法では、 シリカ(SiO2)をシラノール残基を有するシリコーンポリマーへと変換し、 シリル化することにより、新規な構造のシリコーンポリマーへと変換させる。 新規機能を有するポリマーの創出が可能である。●新規機能性高分子の精密合成法の研究(左下図) エンジニアリングプラスチックの一つとして知られているポリフェニレン オキシド(PPE)は 重合の制御が困難であるため、モノマーの設計や共重合に よる機能化の達成が課題である。例えば新規な触媒系の開発により高度な 重合制御を可能とした。すなわちDMPと様々なフェノール誘導体との共重合 の制御により、PPE骨格からなる、かつ、官能基の導入が可能なフェノール 性水酸基を有する新規官能基化PPEを合成することが可能である。高分子合成、機能性材料、精密構造制御、有機・無機ハイブリット材料キーワード相談に応じられる内容図1:スパッタ成膜中の風景図2:透明で電気が流れる薄膜(透明導電膜)環境調和型薄膜の合成とデバイスへの応用YAMADA Naoomi工学部 応用化学科教授 山田 直臣薄膜形成技術、導電性酸化物の開発、導電性物質の評価 など 近年、地球にやさしいクリーンなエネルギー源や環境浄化作用を有する材料が強く望まれています。当研究室では、薄膜技術を通して、このような環境調和型のエネルギー源や材料に関する研究・開発を行っていきます。 薄膜合成には、スパッタリング法を使用します。スパッタリング法とは、ターゲットと呼ばれる出発原料をプラズマによって気化し、基板上へ原料物質の薄膜を堆積させる方法です。スパッタリング法は、工業的に確立された手法で、多くの産業分野で用いられています。合成中の様子を図1に示します。 一例として、図2にスパッタリング法で作製した透明で電気の流れる薄膜、透明導電膜を示します。安価で高性能な透明導電膜を、大面積基板上へ高速に成膜することは重要な開発項目の一つです。【研究テーマ】●新しい透明導電体の開発●可視光に対して透明な半導体材料●酸化物をベースとした薄膜太陽電池●薄膜のあたらしい合成方法の開発薄膜、スパッタ法、透明導電膜、太陽電池工学部工学部

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