中部大学研究紹介2023
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22キーワード相談に応じられる内容環境順応型機能材料の開発とその応用MIYAUCHI Toshiyuki  工学部 応用化学科准教授 宮内 俊幸木質バイオマス、イオン交換体、IC-FIAシステムバイオマス資源の利活用 環境負荷の少ない木質系機能材料の開発を目指している。開発した材料の主な用途は、陰・陽イオン交換体の担体、キレート樹脂の担体、気体吸着材、色素吸着剤、酵素吸着材などであり、これまで合成高分子が担ってきた材料分野である。木質バイオマスはカーボンニュートラルな材料であるため二酸化炭素の削減、地球温暖化防止に繋がり、また、低コストであり、安全性に富むといった利点があげられる。木質系機能材料の原料は「おが屑」であり、生体高分子であるおが屑の構造を保持したまま、その特性を活用する。おが屑は分子レベルの緻密な構造を有し、かつ親水性に富むので、物質の脱・吸着にたいして効果的である。従って目指している材料の用途に叶った材料となる。具体的には、スルホ型、カルボキシル型、ポリアミン型、リン酸型などの機能材料を開発し、これらの材料を用いて排水中染料の吸着・除去、都市鉱山中のレアメタルの分離・回収システムの構築、固定化酵素による臨床分野でのFIAシステムの構築、食品加工における脱色・脱臭・精製などを実施している。【研究テーマ】●リン酸型木質バイオマス機能材料の合成と金属イオン吸着特性●固定化ウレアーゼカラムを連結したIC-FIAシステムを用いた血清中尿素、尿中 尿素および香粧品中尿素の定量●スルホ型木質バイオマス系陽イオン交換体の合成と色素吸着特性キーワード相談に応じられる内容外部刺激で可逆変化する分子集合体の創製YABUUCHI Kazuhiro工学部 応用化学科准教授 籔内 一博ゲル化剤や増粘剤を中心とした自己組織化材料、クロミック材料の開発とその利用、分子集合材料・有機材料の評価 ゲル材料は、3次元的に広がった網目構造をもつ固体に液体が取り込まれて形成される固体と液体の複合材料である。このようなゲル材料を構成する固体成分として、分子そのものが網目構造をもつ架橋高分子や、分子間相互作用により自発的に分子が集まる(自己組織化)ことで網目構造を形成する低分子化合物(低分子ゲル化剤)などがある。当研究室では、自己組織化する分子や外部刺激に応答して構造や色が変化するクロミック分子を用いることで、これらの分子およびその集合体が示す可逆的な構造・特性変化を駆使し、低分子ゲル化剤が形成するゲル材料(超分子ゲル)を中心とした分子集合材料の開発と機能化に取り組んでいる。また、超分子ゲルだけでなく、架橋高分子ゲル、ゲル材料と関連の深い液晶材料あるいは薄膜材料に関する研究にも取り組んでいる。   【研究テーマ】●低分子ゲル化剤の開発 1~数wt%程度の添加で溶媒を効率的にゲル化する物質の開発を行っている。●光や力を利用したゲル材料の動的構造・機能制御 外部刺激によりゲル状態と溶液状態を制御できるゲル、機械強度や熱安定性が 変化するゲル、色が変わるゲル、接着するゲルなどの開発に取り組んでいる。●自己組織性メカノクロミック分子の開発ゲル、液晶、自己組織化、有機機能材料、フォト・メカノクロミック材料工学部工学部

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