中部大学研究紹介2023
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35キーワード相談に応じられる内容超伝導転移端センサーによる高分解能X線分光OKADA Shinji理工学部 数理・物理サイエンス学科教授 岡田 信二ミュオン(放射光)等のビームを用いた実験研究、高分解能X線分光実験、超伝導検出器の応用 超伝導転移端センサー(Transition Edge Sensor)とは、極低温技術を応用した次世代の放射線検出器のひとつで、TESの略称で知られています。当研究室では、量子ビームによる実験研究を、TESマイクロカロリメータと呼ばれるX線検出器を用いて推進しています。その名の通り、超伝導から常伝導への相転移に於ける急激な抵抗変化を利用し、微量な温度変化を高感度に測定する熱量計(マイクロカロリメータ)です。0.1Kという極低温で動作させるため超低雑音を実現し、従来の半導体X線検出器(Si検出器、Ge検出器)に比べ1~2桁優れたエネルギー分解能を持ちます。近年、多素子化技術の進展により、大幅な検出効率増加を実現してます。本検出器を用いた研究テーマは以下の通りで、様々な加速器実験施設にて推進しています。【研究テーマ】●エキゾチック原子を用いた基礎物理学の研究@J-PARC - 飛翔型ミュオン核融合の原理実証実験 - 強電場中における量子電磁力学QEDの検証実験 - ハドロン(K中間子等)と原子核間の強い相互作用の研究●ミュオン及びミュオン原子蛍光X線の高い透過力を利用した、物質内部の 高分解能非破壊元素分析@J-PARC●優れたエネルギー分解能を活かし、近接した蛍光X線からの混ざり込みを 抑えた、多元素を含む試料に対する蛍光XAFS実験@SPring-8●TESを、光子(X線)ではなく、低エネルギー中性粒子のエネルギー測定に応用 した、原子分子衝突実験@理研(低温静電型イオン蓄積リング)超伝導検出器、TES、X線分光、ミュオン核融合、エキゾチック原子、元素分析、XAFSキーワード相談に応じられる内容固体イオニクス材料創製と電気化学デバイスへの応用HASHIMOTO Shin-ichi理工学部 数理・物理サイエンス学科教授 橋本 真一高温形固体イオニクス材料を応用した電気化学デバイスおよび、その材料研究、固体酸化物型燃料電池、エネルギーキャリア合成、ガスセンサー、環境浄化装置 など 固体中でイオンが伝導する固体イオニクス材料は、燃料電池、センサー等、電気化学デバイスに活用され、高効率なエネルギー利用および、環境保全に、幅広く貢献しており、今後、一層の高機能・高効率化が期待されている。①固体イオニクス材料の新規創製、②デバイス作動環境下での固体イオニクス材料の基礎物性評価、③新機能電気化学デバイスの開発と高効率化を、三つの柱に研究・開発を推進し、「軽量化」「低コスト化」「高効率・高性能化」を材料科学に立ち戻って実現することを目標としている。【研究テーマ】●航空機/ 自動車用軽量固体酸化物形燃料電池の開発●低温作動固体酸化物形燃料電池用新規高性能空気極の創製●プロトン導電体を用いた電気化学デバイスの高性能化●貴金属・希土類フリーの超低コスト・元素戦略燃料電池の開発固体イオニクス材料、固体酸化物形燃料電池O2-O2-OOOe-e- ! H+H+OOe-e- ! O2-O2-OOOe-e-O2-O2-OOe-e-ONNN"#$ONOOO2-O2-OOe-e-V!%!OOOONOx理工学部理工学部

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