中部大学研究紹介2025
43/94
42独自HPキーワード相談に応じられる内容磁性ナノ粒子は主に常磁性を持ったナノメートルサイズの粒子のことです。磁性ナノ粒子の中でも酸化鉄ナノ粒子は生体への安全性が高いことから核磁気共鳴画像法(MRI)の造影剤や温熱療法など医療関連分野における応用研究が進められております。我々もFe3O4からなる種々の磁性ナノ粒子を調製してきました。表面にがん抗体や各種生理活性物質を結合させることで、がん指向性のMRI造影剤として機能するとともに、交流磁場下において発熱する機能性粒子となります。現在では、血液などの体液から早い段階でがんの存在を見出すことができますので、それらの技術と組み合わせることで早期にがんを発見し、速やかに治療をすることができると期待されています。このような先進的な医療技術をセラノスティクスといい、当研究室ではそれを具現化するような生体機能物質の創成を目指しています。これとは別に様々な研究者からの依頼で、各種生理活性物質の合成や構造解析、さらには定量分析も行っています。主に、NMR、HPLC、GC-MS、LC-MS/MSなどを用いた分析研究も実施しています。【その他の研究テーマ】●酸化鉄粒子を用いた放射線から簡便に発電する方法の開発●新規エクソソーム回収法と得られた生物情報の有用性検討●植物由来の既存添加物「クチナシ青色素」の分子構想解析●H-D交換反応を用いた生理活性物質の安定同位元素標識化合物の調製がん指向性磁性ナノ粒子の開発と機能評価社会実装分野新しいがんの温熱療法への応用TSUTSUMIUCHI Kaname 応用生物学部 応用生物化学科教授堤内 要有機化合物、高分子材料、ナノマテリアルの合成、分析(NMR, IR, HPLC, GC-MS, LC-MS/MS, TEM, SEM, DLS, TG等)、機能評価(毒性、標的指向性、発熱特性)がん温熱療法、セラノスティクス、磁性材料、ナノ粒子、リキッドバイオプシー、生物情報キーワード相談に応じられる内容光合成生物の無機窒素・炭素同化系制御機構の解明AICHI Makiko応用生物学部 応用生物化学科准教授愛知 真木子微細藻類の培養条件の検討、微細藻類を用いたバイオ燃料生産、環境中・植物体中の硝酸イオン・亜硝酸イオン濃度測定、貧栄養性植物栽培法など微細藻類、シアノバクテリア、バイオ燃料遊離脂肪酸、モウセンゴケ、貧栄養湿地aas::sacB Kmaas; PnirA::’tesAWT社会実装分野微細藻類におけるエネルギー生産性向上技術の開発 地球環境の保全を目的として、酸素発生型の光合成をおこなう微生物シアノバクテリア(ラン藻)や貧栄養湿地に生育する食虫植物のモウセンゴケ属を用いて、無機窒素・無機炭素同化系の制御システムについて研究しています。 これまでにも、ラン藻など微細藻類を用いたバイオ燃料の生産に関する研究は行われてきましたが、投入したエネルギー(肥料、生産物や微細藻類の回収にかかるエネルギー、輸送費など)よりも、得られるエネルギーが少ないことが、実用化が困難となっている理由です。私たちは、細胞の増殖を抑えて必要な肥料を削減し、細胞外へ生産物を放出させることで生産物や細胞の回収にかかるコストを抑えようと考えています。左下図は,遺伝子改変により脂肪酸を蓄積するようになったラン藻培養液の写真です。現在、さらなる生産量の増大、非遺伝子組換え化を進めています。【研究テーマ】●シアノバクテリアを用いた遊離脂肪酸生産の高効率化の研究●シアノバクテリアや高等植物の窒素利用に関わる遺伝子の発現および タンパク質の活性制御機構の解明●貧栄養地に適応している東海丘陵要素植物(周伊勢湾地域の固有種) など湿生植物の無機窒素同化系制御機構の研究●東海丘陵要素植物の保全を目的とした自生地環境調査と遺伝的多様性 の解明応用生物学部応用生物学部
元のページ
../index.html#43