中部大学研究紹介2025
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43独自HPキーワード相談に応じられる内容疾患や副作用のリスクを低減させる診断方法の研究NAKAGAWA Hiroshi応用生物学部 応用生物化学科准教授中川 大体質の個人差、遺伝子診断、がんの抗がん剤耐性私たちは、染色体上に300万~1000万程度存在すると言われている「塩基配列の個人差」の中から「体質の個人差」を決定する塩基配列の候補を見つけ出し、この塩基配列の違いがどのような個人差を決定し、それがどのように決定されるかについて明らかにしようと日々研究をしています。そして、得られた実験結果に基づいて、「病気に罹りやすい(あるいは罹りにくい)体質」や「薬が効き過ぎる(あるいは効きにくい)体質」を遺伝子レベルで診断できるようにしようと考えています。 「疾患の発症リスク」や「薬の効果」が事前に分かれば、疾患や薬の副作用を未然に防ぐことが可能になります。人類の一人一人が自分の体質を理解し、自ら疾患や薬の副作用の予防に努め、老後も健やかに生活できる「活力ある高齢化社会」の実現に貢献することが、私たちの研究の終着点です。【研究テーマ】●膜輸送体遺伝子上に存在する「個人差決定一塩基多型候補」の探索●個人差決定一塩基多型が決定する「体質の個人差」の同定 ●個人差決定一塩基多型が個人差を決定する「分子基盤」の解明●「疾患の予防・治療法」、「体質の改善法」の開発 体質の個人差、健康寿命、一塩基多型、生活習慣病、遺伝子診断独自HPキーワード相談に応じられる内容キノコの光感知機構と分化誘導制御機構の解明 FUSHIMI Keiji応用生物学部 応用生物化学科准教授伏見 圭司キノコを利用した生物活性評価、生合成酵素の探索・分子設計・機能改変、分析機器を利用した生体分子の定性法・定量法の開発真菌類、糸状菌、キノコ、光、分化誘導、機能性物質社会実装分野機能性物質の創出と生産を目指した技術開発 真菌類の仲間であるキノコは、生物学的特徴が独特であり、非常に興味深い生き物です。また、生物資源としての有用性が高く、食品の生産、医薬品の創出、環境保全のための基盤等が開発されてきました。 キノコは、胞子、菌糸体、子実体(所謂キノコと呼ばれる器官)の姿を繰り返す生活環をもっています。しかし、この分化誘導を制御する決定的な活性物質は未だに発見されていません。一方、子実体形成には光が必須とされており、キノコ栽培の現場では、菌糸体を蔓延させた後、光を照射することで、子実体の発生を促進しています。 当研究室では、キノコの「光感知」と「子実体形成」の関係に着目し、光感知機構と分化誘導制御機構を紐付け、子実体形成を起こす(究極的には、キノコの生活環を支配する)活性物質を見つけ、その分子機構を明らかにすることを目指しています。【研究テーマ】●キノコがもつ光受容体の分光特性、分子間相互作用の解析●キノコによって光依存的に合成・分解される生体分子の特定●キノコに由来する新規の生物活性物質・機能性物質の探索●キノコに由来する有用な生合成酵素の分子設計・機能改変応用生物学部応用生物学部
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