中部大学研究紹介2024
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44独自HPキーワード相談に応じられる内容 磁性ナノ粒子は主に常磁性を持ったナノメートルサイズの粒子のことです。磁性ナノ粒子の中でも酸化鉄ナノ粒子は生体への安全性が高いことから核磁気共鳴画像法(MRI)の造影剤や温熱療法など医療関連分野における応用研究が進められております。我々もFe3O4からなる種々の磁性ナノ粒子を調製してきました。表面にがん抗体や各種生理活性物質を結合させることで、がん指向性のMRI造影剤として機能するとともに、交流磁場下において発熱する機能性粒子となります。現在では、血液などの体液から早い段階でがんの存在を見出すことができますので、それらの技術と組み合わせることで早期にがんを発見し、速やかに治療をすることができると期待されています。このような先進的な医療技術をセラノスティクスといい、当研究室ではそれを具現化するような生体機能物質の創成を目指しています。 これとは別に様々な研究者からの依頼で、各種生理活性物質の合成や構造解析、さらには定量分析も行っています。主に、NMR、HPLC、GC-MS、LC-MS/MSなどを用いた分析研究も実施しています。【その他の研究テーマ】●酸化鉄粒子を用いた放射線から簡便に発電する方法の開発●新規エクソソーム回収法と得られた生物情報の有用性検討●植物由来の既存添加物「クチナシ青色素」の分子構想解析●H-D交換反応を用いた生理活性物質の安定同位元素標識化合物の調製がん指向性磁性ナノ粒子の開発と機能評価社会実装分野新しいがんの温熱療法への応用TSUTSUMIUCHI Kaname  応用生物学部 応用生物化学科教授 堤内 要有機化合物、高分子材料、ナノマテリアルの合成、分析(NMR, IR, HPLC, GC-MS, LC-MS/MS, TEM, SEM, DLS, TG等)、機能評価(毒性、標的指向性、発熱特性)がん温熱療法、セラノスティクス、磁性材料、ナノ粒子、リキッドバイオプシー、生物情報キーワード相談に応じられる内容植物の生体膜輸送体と情報変換分子の機能解明と応用 ストレス耐性の付与と育種遺伝子マーカーへの応用MAESHIMA Masayoshi応用生物学部 応用生物化学科教授 前島 正義細胞分画法、膜における物質輸送機能の測定、特定分子の可視化、その他生化学・分子細胞生物学的手法と研究 動植物の遺伝子の20-30%が膜タンパク質と推定されている。細胞の普遍的、特異的な活動を支える膜タンパク質分子を探ることは、生物の分子レベルでの理解のみならず、応用的な活用への突破口ともなる。当研究室では、とくに生体膜輸送体、情報変換分子に注目し、「分子を見る、分子から細胞を見る、分子を活用する」の視点で研究を進めている。例えば、プロトンポンプ(H+の一次能動輸送体)としてのH+-ピロホスファターゼの構造・作動機構・生理機能を研究し、この分子から植物の液胞と細胞体積の増大、組織成長、無機イオン(Zn、Ca、K等)吸収の解明と活用につなげている。また、細胞の膜系にある水チャネルの多様な分子種の機能と遺伝子発現の時空間的特異性の研究を通して、植物での水分管理・乾燥耐性の機構解明を進めている。【研究テーマ】●液胞膜H+-ピロホスファターゼの遺伝子発現特性と生理的重要性●金属イオン輸送体の分子特性と細胞機能●種子と根毛を護る新規細胞壁分子の特性と機能の解明●細胞膜情報変換分子PCaPの生理機能の解明●サボテンの水チャネル、イオン輸送系分子の特定と発現特性の解明●キクイモおよびサボテンの有用物質の探索生体膜、エネルギー変換、イオン輸送、情報変換、水チャネル、種子形成、乾燥耐性応用生物学部応用生物学部

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