中部大学研究紹介2025
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44キーワード相談に応じられる内容産業副産物には肥料、土壌改良資材として有効な成分が含まれる場合があり、適切に利用することで、農用地における施肥コストや土壌汚染改良のコストを低減できる可能性がある。特に、世界的に肥料価格が高騰しつつある中、将来にわたる肥料の安定供給を実現するための手段として、産業副産物由来の肥料が注目され、その重要性が高まっている。また、土壌中に存在する重金属を改良資材と反応させて難溶化し、土壌溶液中への重金属溶出量を低下させる不溶化法は、低コストかつ即効性のある修復手法であり、市街地の汚染土壌を修復する際に、コスト面で課題がある排土・客土法の代替手法として期待できる。 当研究室では、これまで不溶化法に関する研究テーマとして、土壌中の重金属を長期間安定化させる土壌改良資材の探索や、汚染地における適切な施用方法の検討を行ってきた。さらに、燃焼灰等の産業副産物を活用した肥料資材の開発についても検討を進めている。【研究テーマ】●石灰、石膏混合材のCd・Pb・Zn複合汚染土壌の修復効果の検討●産業的副産物を活用した肥料資材の開発産業副産物を活用した土壌改良手法の開発SUMI Hirotaka応用生物学部 応用生物化学科助教墨 泰孝産業副産物中に含まれる肥料成分の評価、産業副産物の土壌改良効果、上記を踏まえた肥料、土壌改良資材としての評価産業副産物、肥料、土壌改良資材、重金属汚染土壌独自HPキーワード相談に応じられる内容発光生物の総合的研究生物発光を使った科学教材の開発と実験教室の実施OBA Yuichi応用生物学部 環境生物科学科教授大場 裕一発光生物(ホタルなど)の遺伝子ハプロタイプ解析、発光生物の分布調査、科学教材としての発光実験系の開発、発光生物を通じた科学教育(実験教室、講演会、著述、取材、展示協力)など光る生きもののことを「発光生物」という。その代表はホタルであるが、日本に50種ものホタル科昆虫がいることはあまり知られていない。発光するミミズは日本に2種が知られているが、どちらも簡単に見つけることのできる普通種である。海の中には陸上よりもずっと多くの発光生物がいるが、ほとんどは深海に棲んでいるためそのライフスタイルを目にすることはめったにない。興味深いことに、これら多種多様な発光生物たちは、それぞれ独自の発光反応メカニズムを持っている。このことは、発光という形質が進化の過程で独立に何度も出現したことを意味している。私たちの研究グループでは、こうした発光生物の知られざる側面にさまざまな角度から光を当てて、独自の研究を展開している。【研究テーマ】●未知発光メカニズムの解明 発光メカニズムが未知の生物(発光キノコ、発光魚、発光ミミズ、発光菌類など) の発光物質の解明を試みている。●生物発光の進化の研究 発光メカニズムが既知の生物(ホタル、ウミホタル、コペポーダなど)について、 発光能の進化プロセスを研究している。2018年にホタルの全ゲノム解読に成功。●発光生物DNA バーコーディング 日本の発光生物を網羅的に収集し、遺伝子情報を保存するDNA バーコーディング プロジェクトを進めている。●発光生物の分布調査ホタルやホタルミミズなどの日本国内の分布を調査し、遺伝子解析によりその系統 進化を研究している。●深海発光魚の視覚と発光 発光する深海魚ついて、視覚と発光の関わりからその生活様式を研究している。発光生物、ホタル、ホタルミミズ、発光菌類、発光魚、科学教育、科学教材、遺伝子解析「生きものが光る」というテーマを切り口に、科学啓蒙にも力を入れて講演会や執筆、科学館の展示協力など幅広い活動を行っている。ホタルミミズ(Microscolex phosphoreus)は、探し方さえ分かれば近所の公園などでも簡単に見つけることができることがわかった。ギリシア時代から人々を魅了してきた発光キノコについて、その発光に関わる物質を2015年ついに解明。試験管の中でその発光を再現することに成功した。離島から深海まで、日本全国の発光生物を調査し、遺伝子データを集めている。中部大学「発光生物学研究室」では、日本の発光生物に関するあらゆる情報を集約する準備を進めている。応用生物学部応用生物学部

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