中部大学研究紹介2023
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44キーワード相談に応じられる内容植物病原菌の感染機構の研究有効で安全な植物保護への基盤情報の提供TSUGE Takashi応用生物学部 応用生物化学科教授 柘植 尚志植物病害、植物保護、植物病原菌の研究法、植物病原菌類の遺伝子解析 人類の食を支える植物生産には、根粒菌、菌根菌などの共生(有用)菌、植物に病気を引き起こす病原(有害)菌など多くの微生物がかかわっている。安定した植物生産を確保するためには、これら微生物をよりよく理解し、有効な利用技術、制御技術を確立することが重要である。 農業技術が進歩した現在でも、世界的には、毎年15%ほどの食料(約8億人分の食料)が植物の病気によって失われている。このように食料の安定供給を脅かす植物病害の約80%は菌類(カビ)が原因である。 当研究室では、植物生産に深刻な被害をもたらす病原菌類の研究に取り組み、病原菌の植物感染機構を総合的に理解し、より有効で安全な植物保護への基盤情報の提供を目指している。【研究テーマ】●植物病原菌の病原性 菌類の植物への侵入、植物中での定着・増殖、それぞれの病気に特徴的 な病徴発現に関与する遺伝子群の同定 ●植物病原菌の宿主選択性 病原菌の宿主選択性を決定する因子・遺伝子の同定●植物病原菌のゲノム進化 病原性・宿主選択性に関与する遺伝子が集積した染色体の構造と起源の解明●植物病原菌の起源 病原菌の作物以外の野生宿主の探索植物病原菌、病原性、宿主選択性、ゲノム進化独自HPキーワード相談に応じられる内容標的指向性磁性ナノ粒子の調製と機能評価TSUTSUMIUCHI Kaname  応用生物学部 応用生物化学科教授 堤内 要有機化合物、高分子材料、ナノマテリアルの合成、分析(NMR, IR, HPLC, LC/MS/MS, TEM, DLS等)、機能評価(毒性、標的指向性、発熱特性) 磁性ナノ粒子は主に常磁性を持ったナノメートルサイズの粒子のことである。磁性ナノ粒子の中でも酸化鉄ナノ物質は生体への安全性が高いことから核磁気共鳴画像法(MRI)の造影剤や温熱療法など医療関連分野における応用研究が進められており、我々も鉄ペンタカルボニルの高温熱分解反応を用いてFe3O4からなる種々のマグネタイトナノ粒子(MNPs) を調製している。表面に抗体や各種生理活性物質を結合させることで、標的指向性のMRI造影剤やアクセプター探索型磁性ナノ粒子プローブなどを開発している。最近はがん温熱療法に用いる機器の開発も行っている。 これとは別に様々な研究者からの依頼で、各種生理活性物質の合成や構造解析、さらには定量分析も行っている。構造解析、定量分析についてはNMR、HPLC、LC/MS/MSなどを用いている。なお、LC/MS/MSで定量分析する際のサロゲート物質もH-D交換反応を用いて合成することが可能である。【研究テーマ】●ポリマー被覆マグネタイトナノ粒子を基盤とした標的指向性磁性ナノ粒子 の調製と機能評価●抗腫瘍活性が期待できるペプチド及び低分子化合物の合成●H-D交換反応を用いた生理活性物質の重水素化とそれらを内部標準試薬 に用いたLC/MS/MS測定法の確立化学合成、生体機能性材料、生理活性物質、構造解析、機能評価応用生物学部応用生物学部

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