中部大学研究紹介2024
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45独自HPキーワード相談に応じられる内容微細藻類におけるエネルギー生産性向上技術の開発AICHI Makiko応用生物学部 応用生物化学科准教授 愛知 真木子微細藻類の培養、培地中・植物体中の硝酸イオン・亜硝酸イオン濃度測定など 化石燃料の代替となるような物質を酸素発生型の光合成をおこなう微生物であるシアノバクテリア(ラン藻)を用いて生産することを目的として研究を進めています。これまでにもラン藻類を用いたバイオ燃料の生産に関する研究は行われてきましたが、投入したエネルギー(肥料、ラン藻類の回収にかかるエネルギー、輸送費など)よりも、得られるエネルギーが少ないために実用化が困難であったと考え、投入エネルギーを抑えてエネルギーを多く得られるラン藻株を作製します。そのために細胞の増殖を抑えて、必要な肥料を削減し細胞外に脂肪酸を放出させることで、回収にかかるコストを抑えます。左下図は、遺伝子改変により脂肪酸を蓄積するようになったラン藻培養液の写真です。【その他の研究テーマ】●シアノバクテリアや高等植物の窒素利用に関わる遺伝子の発現および タンパク質の活性制御機構の解明●東海丘陵要素植物(周伊勢湾地域の固有種)の保全を目的とした自生地 環境調査と遺伝的多様性の解明●貧栄養地に適応している東海丘陵要素植物など湿生植物の地球環境の 変化(富栄養化)に対する応答機構の解明と保全技術の開発微細藻類、バイオ燃料、遊離脂肪酸、トランスポーター(輸送体) aas::sacB Kmaas; PnirA::’tesAWT独自HPキーワード相談に応じられる内容疾患や副作用のリスクを低減させる診断方法の研究NAKAGAWA Hiroshi応用生物学部 応用生物化学科准教授 中川 大体質の個人差、遺伝子診断、がんの抗がん剤耐性 私たちは、染色体上に300万~1000万程度存在すると言われている「塩基配列の個人差」の中から「体質の個人差」を決定する塩基配列の候補を見つけ出し、この塩基配列の違いがどのような個人差を決定し、それがどのように決定されるかについて明らかにしようと日々研究をしています。そして、得られた実験結果に基づいて、「病気に罹りやすい(あるいは罹りにくい)体質」や「薬が効き過ぎる(あるいは効きにくい)体質」を遺伝子レベルで診断できるようにしようと考えています。 「疾患の発症リスク」や「薬の効果」が事前に分かれば、疾患や薬の副作用を未然に防ぐことが可能になります。人類の一人一人が自分の体質を理解し、自ら疾患や薬の副作用の予防に努め、老後も健やかに生活できる「活力ある高齢化社会」の実現に貢献することが、私たちの研究の終着点です。【研究テーマ】●膜輸送体遺伝子上に存在する「個人差決定一塩基多型候補」の探索●個人差決定一塩基多型が決定する「体質の個人差」の同定 ●個人差決定一塩基多型が個人差を決定する「分子基盤」の解明●「疾患の予防・治療法」、「体質の改善法」の開発 体質の個人差、健康寿命、一塩基多型、生活習慣病、遺伝子診断応用生物学部応用生物学部
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