中部大学研究紹介2023
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45キーワード相談に応じられる内容植物の生体膜輸送体と情報変換分子の機能解明と応用 ストレス耐性の付与と育種遺伝子マーカーへの応用MAESHIMA Masayoshi応用生物学部 応用生物化学科教授 前島 正義細胞分画法、膜における物質輸送機能の測定、特定分子の可視化、その他生化学・分子細胞生物学的手法と研究 動植物の遺伝子の20-30%が膜タンパク質と推定されている。細胞の普遍的、特異的な活動を支える膜タンパク質分子を探ることは、生物の分子レベルでの理解のみならず、応用的な活用への突破口ともなる。当研究室では、とくに生体膜輸送体、情報変換分子に注目し、「分子を見る、分子から細胞を見る、分子を活用する」の視点で研究を進めている。例えば、プロトンポンプ(H+の一次能動輸送体)としてのH+-ピロホスファターゼの構造・作動機構・生理機能を研究し、この分子から植物の液胞と細胞体積の増大、組織成長、無機イオン(Zn、Ca、K等)吸収の解明と活用につなげている。また、細胞の膜系にある水チャネルの多様な分子種の機能と遺伝子発現の時空間的特異性の研究を通して、植物での水分管理・乾燥耐性の機構解明を進めている。【研究テーマ】●液胞膜H+-ピロホスファターゼの遺伝子発現特性と生理的重要性●金属イオン輸送体の分子特性と細胞機能●種子と根毛を護る新規細胞壁分子の特性と機能の解明●細胞膜情報変換分子PCaPの生理機能の解明●サボテンの水チャネル、イオン輸送系分子の特定と発現特性の解明●キクイモおよびサボテンの有用物質の探索生体膜、エネルギー変換、イオン輸送、情報変換、水チャネル、種子形成、乾燥耐性独自HPキーワード相談に応じられる内容微細藻類におけるエネルギー生産性向上技術の開発AICHI Makiko応用生物学部 応用生物化学科准教授 愛知 真木子微細藻類の培養、培地中・植物体中の硝酸イオン・亜硝酸イオン濃度測定など 化石燃料の代替となるような物質を酸素発生型の光合成をおこなう微生物であるシアノバクテリア(ラン藻)を用いて生産することを目的として研究を進めています。これまでにもラン藻類を用いたバイオ燃料の生産に関する研究は行われてきましたが、投入したエネルギー(肥料、ラン藻類の回収にかかるエネルギー、輸送費など)よりも、得られるエネルギーが少ないために実用化が困難であったと考え、投入エネルギーを抑えてエネルギーを多く得られるラン藻株を作製します。そのために細胞の増殖を抑えて、必要な肥料を削減し細胞外に脂肪酸を放出させることで、回収にかかるコストを抑えます。左下図は、遺伝子改変により脂肪酸を蓄積するようになったラン藻培養液の写真です。【その他の研究テーマ】●シアノバクテリアや高等植物の窒素利用に関わる遺伝子の発現および タンパク質の活性制御機構の解明●東海丘陵要素植物(周伊勢湾地域の固有種)の保全を目的とした自生地 環境調査と遺伝的多様性の解明●貧栄養地に適応している東海丘陵要素植物など湿生植物の地球環境の 変化(富栄養化)に対する応答機構の解明と保全技術の開発微細藻類、バイオ燃料、遊離脂肪酸、トランスポーター(輸送体) aas::sacB Kmaas; PnirA::’tesAWT応用生物学部応用生物学部

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