中部大学研究紹介2024
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46キーワード相談に応じられる内容 産業副産物には肥料、土壌改良資材として有効な成分が含まれる場合があり、適切に利用することで、農用地における施肥コストや土壌汚染改良のコストを低減できる可能性がある。 特に、世界的に肥料価格が高騰しつつある中、将来にわたる肥料の安定供給を実現するための手段として、産業副産物由来の肥料が注目され、その重要性が高まっている。また、土壌中に存在する重金属を改良資材と反応させて難溶化し、土壌溶液中への重金属溶出量を低下させる不溶化法は、低コストかつ即効性のある修復手法であり、市街地の汚染土壌を修復する際に、コスト面で課題がある排土・客土法の代替手法として期待できる。 当研究室では、これまで不溶化法に関する研究テーマとして、土壌中の重金属を長期間安定化させる土壌改良資材の探索や、汚染地における適切な施用方法の検討を行ってきた。さらに、燃焼灰等の産業副産物を活用した肥料資材の開発についても検討を進めている。【研究テーマ】●石灰、石膏混合材のCd・Pb・Zn複合汚染土壌の修復効果の検討●産業的副産物を活用した肥料資材の開発産業副産物を活用した土壌改良手法の開発SUMI Hirotaka応用生物学部 応用生物化学科助教 墨 泰孝産業副産物中に含まれる肥料成分の評価、産業副産物の土壌改良効果、上記を踏まえた肥料、土壌改良資材としての評価産業副産物、肥料、土壌改良資材、重金属汚染土壌キーワード相談に応じられる内容これまでの主な活動範囲動物の健康を担保する飼料や生菌剤の開発USHIDA Kazunari応用生物学部 環境生物科学科教授 牛田 一成陸生および海産動物の飼料開発、消化生理、腸内細菌研究、プロバイオティクス開発、微生物機能解析、野生動物保護 それぞれの動物は、進化の中で食性に応じた消化器官と消化機能を持つようになっており、草食動物と肉食動物では、食べ物が全く違うため、それに応じて消化器の大きさや形態、その中に住みつく共生腸内細菌が違っています。反芻目のウシを食肉目のイヌのエサで飼うことはできませんが、食肉目でもクマは、小腸を長くすることで雑食化に適応して植物性食物を大量に食べることができるようになっています。さらに進んだパンダでは竹しか食べずに暮らしています。草食動物でも、反芻目のキリンでは、ウシの食べる高繊維低タンパク質の草原の草よりも低繊維高タンパク質のマメ科樹木の葉などを食べて暮らしているため、ウシのエサで飼育することは困難です。 我々は動物の食性とそれに適応した栄養生理と共生腸内細菌にもとづいた飼料や生菌剤の開発を目指しており、また、野生動物の持つ有用な性質に着目しプロバイオティクスを開発し、希少動物の保全に役立つ腸内細菌研究を行なっています。その成果は類縁の家畜種やペットなどの保健にも役立つと期待されています。 【研究テーマ】●絶滅危惧種ニホンライチョウの保全研究(環境省と連携)●絶滅危惧種コンゴヨウムの保全研究(JICA草の根プロジェクト)●ゴリラ、チンパンジー、ムササビ、ニホンライチョウなど葉食/果実食動物の消化生理 と共生腸内細菌の研究●トラやライオン、カワウソ、アフリカハゲコウ、ヤモリ類など肉食動物の消化生理 と共生腸内細菌の研究●アオウミガメなど海産草食動物の消化生理と共生腸内細菌の研究●魚類の消化生理と共生腸内細菌の研究動物、飼料開発 腸内細菌、プロバイオ、保健衛生、野生動物保護応用生物学部応用生物学部

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