中部大学研究紹介2023
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48独自HPキーワード相談に応じられる内容←環境ストレスや有害物質に対する生体防衛反応を、赤色蛍光で視覚化した組換え体線虫。全身の細胞核で赤く光っている。この反応はヒトとほぼ同じ仕組みであることがわかっている。←昆虫病原性線虫に感染して死亡したヤマトゴキブリ。お腹を割くと増殖した線虫が大量に出てきた。寄生・共生の分子メカニズムとその進化を明らかにすること、さらに新しいゴキブリ駆除法の開発にも繋げるべく研究を進めている。マツ実生苗を用いて、マツノザイセンチュウ病原性検定を実験室内で大量におこなうことが可能である。線虫との攻防に負けたマツは、針葉が茶色く褐変しまもなく枯死してしまう→生物の環境適応性進化の研究HASEGAWA Koichi応用生物学部 環境生物科学科教授 長谷川 浩一寄生性線虫の病原性、昆虫病原性線虫の生物農薬への応用、衛生害虫ゴキブリの同定 生物は地球上の様々な無機的・有機的生物環境に適応し、寄生・共生といった生物間相互関係を繰りひろげながら、絶妙なバランスをとって生活している。本研究室では線虫を対象生物とし、生物間相互関係の面白い現象を発見し、その現象の意味や進化の過程を問いながら、それらを分子遺伝学的に証明してゆくことを目標に研究を進めている。【研究テーマ】●生体防衛機構の基礎および応用研究 生物がいろんな生活環境に適応して生きてゆくうえで、生体防衛機構を 発達させてきた。線虫でみられる生体防衛機構の分子メカニズムを明ら かにし、ヒトの老化や疾病予防へと役立てていきたい。● 寄生性線虫の病原性に関する研究 世界の森林生態系の脅威であるマツ枯れ病は、マツノザイセンチュウが 主病原体である。枯死メカニズムや媒介昆虫との相互関係についての 研究を進めながら、本病防除法の開発を目指している。●寄生・共生の進化に関する研究 病原性微生物を上手く利用し、他の生物を殺してそれを餌にしたり、 競争相手を駆逐したりする線虫がいる。微生物と線虫が共生関係を結ぶ に至った経緯を調べ、生物農薬としての応用を目指している。寄生、共生、マツ枯れ病、生物農薬、衛生害虫、線虫、ゴキブリ、ゲノム200 µmキーワード相談に応じられる内容遺伝子から生態系まで網羅した生物多様性評価MINAMI Motoyasu応用生物学部 環境生物科学科教授 南 基泰動植物調査、DNA鑑定による植物由来食品素材の鑑定、薬用植物栽培 ミクロな技術の分子生物学的技術からマクロな人工衛星画像解析までを網羅的に駆使して、生物のもつ遺伝的多様性から生態系の多様性までを研究対象としています。いずれも実用性を視野に置いた生物資源探索、生物多様性に配慮したグラウンドデザインなどに産官学で取組んでいます。【研究テーマ】●薬用植物の分子系統地理学的解析及び品質評価 東アジア地域の漢方原料植物の新たな遺伝資源探索や持続可能な利用法 を解析しています。●遺伝子から生態系まで考慮した生物多様性広域評価 生物多様性に配慮した土地利用計画や企業緑地創成などについて検討して います。●DNA鑑定技術による植物由来食品素材の鑑定 植物加工食品などに使用されている植物由来原材料のDNA鑑定技術の開発生物多様性評価、DNA鑑定応用生物学部応用生物学部

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