中部大学研究紹介2024
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49独自HP独自HPキーワード相談に応じられる内容微生物の有効利用や改良に関する研究KANAMASA Shin  応用生物学部 環境生物科学科アイソトープセンター兼任准教授 金政 真酵素の生産、精製、機能解析、新規微生物の単離と解析、微生物の機能改良(育種)、木質系バイオマスの酵素糖化、発酵、遺伝子組み換え技術 私達は古くは酒や味噌など醗酵食品の製造に微生物を利用してきました。今日では医薬品や工業材料の製造にも様々な微生物が活躍しています。「世界には私達が欲する能力を持った微生物が必ずいる」と言われていますが、私達はまだそのごく一部しか知りません。そこで、私どもは社会のニーズに応じた微生物を自然界より単離してその性質を調べたり、有用菌の能力を遺伝子工学によって向上させる研究を行っています。対象微生物は細菌だけでなく、酵母やカビも扱っています。主に下記のテーマを進めています。【研究テーマ】●木質分解微生物の研究 木質系バイオマスから燃料エタノールなどを製造する際に必要となる木質 の糖化(分解)に、環境負荷の小さい微生物由来酵素を用いることを目指 しています。そのために、新規微生物の探索や、有用菌の機能解析および 機能向上に取り組んでいます。●微生物を用いた有価物質の生産 微生物には、私達にとって有益な医薬品や調味料、お酒、また樹脂などの 化成品原料を生産するものなどがいます。これら有用菌の探索や能力を 向上させる研究を行っています。●中部大学ワイン・日本酒プロジェクトの推進 芙蓉花酵母を用いた日本酒など、本学オリジナル商品を開発しています。微生物利用、バイオマス、持続可能社会、バイオリファイナリー、バイオ燃料、酵素芙蓉花酵母で造った日本酒社会実装分野バイオマス(廃棄物を含む)からの有価物生産キーワード相談に応じられる内容双子葉植物の形態形成に関する研究KOJIMA Shoko  応用生物学部 環境生物科学科准教授 小島 晶子植物分子育種、遺伝子組換え 植物は、様々な遺伝子による調節を受けて、主要な光合成器官である葉を形作る。双子葉植物では、葉の表と裏が分化した後で、葉の平らな部分が伸びるというモデルが提唱されている。シロイヌナズナの ASYMMETRIC LEAVES2 は植物固有のタンパク質で、環境ストレスが存在しても、葉を正常に分化するのに関わると考えられる。 本研究室では、葉を作る際の遺伝子ネットワークを明らかにするため、分子遺伝学的な手法を用いた研究を行っている。最近の研究から、葉が形成される際には、植物ホルモンであるサイトカイニンの合成酵素遺伝子が調節されていると考えている。シロイヌナズナで葉を形作る分子機構が明らかになると、他の植物種の培養や品種改良にも応用できる可能性がある。【研究テーマ】●シロイヌナズナの葉の形成における遺伝子ネットワークの解明とサイト カイニンの作用に関する研究●ブドウのRNAウイルス検出とウイルス非感染ブドウ樹の作出 ウイルス感染していないブドウ樹を茎頂メリステムから個体再生する 技術を開発している。この技術により、より成熟した、ワインの醸造に適 したブドウ樹の作出を目指している。植物、形態形成、分子遺伝学、ブドウ応用生物学部応用生物学部

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