中部大学研究紹介2024
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54キーワード相談に応じられる内容食品機能性という新たな付加価値の発見TANAKA Mamoru応用生物学部 食品栄養科学科准教授 田中 守 食事は生きるために必要不可欠であるとともに、健康を維持する上で欠かすことができない。 世界各国、様々な地域で独自の食文化があり、各地域特有の食材が存在する。日常的に摂取でき、かつ地域に根付いた食材の食品機能性という新たな付加価値を見出し、“おいしさ”と“健康”の両方を追求するために日々研究に取り組んでいる。【研究テーマ】●食物依存性運動誘発アナフィラキシーに関する研究 ●食用カンナデンプンの食物アレルギー予防効果と免疫機能への影響●ウチワサボテンの免疫賦活効果●後発酵茶の食品機能性●Nigella sativa L.の食品機能性●Circium maritimum Makinoの抗アレルギー効果●牛乳カゼイン由来ペプチドの抗アレルギー効果抗アレルギー、免疫力向上、抗酸化、抗肥満、抗炎症、血圧降下作用イン様々な食品地場食材のブランド化や新しい食品の開発、食品機能性、食品の機能や食と健康に関して、管理栄養士、調理師、そして研究者の視点から対応キーワード相談に応じられる内容 私たち人類は、太古から微生物による様々な発酵を利用して生活してきました。真核微生物は、糸状菌(カビ)や担子菌(キノコ)、酵母のことを指します。糸状菌、担子菌は細胞が連なった状態で生育するのに対し、酵母は一つの細胞の状態で生育するといった見た目の違いがあります。このため、酵母には分類学上は糸状菌(子嚢菌)系と担子菌系のものが混在しています。 酵母という言葉は一般的に、パンや酒類などに利用されるSaccharomyces(サッカロマイセス)属酵母を指しますが、私は、その他の酵母であっても産業利用できるものを特に研究対象としています。【研究テーマ】●発酵醸造用酵母の育種・改良による高品質な酒造り 清酒酵母が生産する吟醸香成分や有機酸などの生産量を改変することによって、フルーティーで甘い清酒や、低アルコールでも味のふくらみがある清酒造りを目指しています。酵母の育種・改良では、遺伝子組換えではなく、 突然変異という手法を用いています(図1)。●Non-conventional 酵母を用いた有用タンパク質生産 Saccharomyces属以外のnon-conventional 酵母には、優れた有用物質生産能力があります。遺伝子組換え技術を活用し、酵素などの有用タンパク質生産に取り組んでいます(図2)。●Non-conventional 酵母を用いた高濃度有機性排水処理 醸造分野などの高濃度の排水を効率的に処理する研究をしています。真核微生物による物質生産・環境保全に関する研究社会実装分野醸造酵母開発および清酒造り、酵素生産、排水処理                        WATANABE Takashi応用生物学部 食品栄養科学科准教授 渡部 貴志醸造用酵母の改良、評価、醸造微生物試験(真菌数、TTC染色、生酸菌数、麹米の細菌数、火落ち菌など)、自然界からの微生物探索、遺伝子組換え発酵醸造、酵母、突然変異育種、遺伝子組換え、酵素、排水処理21応用生物学部応用生物学部

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