中部大学研究紹介2025
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56特許P88参照キーワード相談に応じられる内容骨と自然にくっつく生体材料の研究体にやさしい人工骨・人工関節・人工歯根を目指してTAKADAMA Hiroaki 生命健康科学部 生命医科学科准教授髙玉 博朗表面処理(大比表面積化、高硬度化など)、加熱処理、雰囲気制御加熱、表面分析、骨結合性評価、生体材料の開発(人工骨・人工関節・人工椎体・人工歯根など)超高齢社会の到来に伴い、骨、関節、背骨、歯などに問題を抱える人が増大している。特に、これらの部位が損傷すると歩けなくなるなど、生活が大幅に制限される恐れがある。しかし、人工関節や人工骨などを使用することにより社会復帰するまで改善できる。これまで当研究グループでは、チタン金属を表面処理することにより、元々はなかった骨と結合する性質をチタン金属に新たに付与することに成功し、新しい人工関節として医療認可を受けた。しかし、現行の材料にはまだ課題もあり、骨と結合する性質や耐摩耗性のさらなる向上、感染の抑制など様々な改良が望まれている。また、実験動物を用いることなく試験管だけで評価できる擬似体液(SBF)を用いた骨結合性評価法のISO化を達成し、本法は全世界で使用されている。現在、その評価法にさらなる改良を検討している。【研究テーマ】●新規人工関節・人工骨・人工椎体・人工歯根などの開発 ・表面処理による骨と結合する性質の付与および向上 ・表面処理によるナノ多孔(大比表面積化)による骨との結合力向上 ・表面処理による高硬度化と耐摩耗性の付与 ・表面処理による抗菌性付与(感染防御)、骨芽細胞促進など●擬似体液を用いた骨結合性評価法の改良《その他テーマ》●大比表面積を有する電極の開発骨結合性(生体活性)、チタン、表面処理、人工関節、人工骨、擬似体液(SBF)キーワード相談に応じられる内容高機能生体活性チタン金属インプラントの開発社会実装分野フルカスタムメイド下顎用固定プレート、脊椎ケージ等YAMAGUCHI Seiji生命健康科学部 生命医科学科准教授山口 誠二インプラント材へ骨結合能及び抗菌性を付与する表面処理法、表面構造解析、医療機器開発特許P88参照Ti、Ti-6Al-4V合金、Ti-Zr-Nb-Ta合金、アパタイト、擬似体液、骨形成促進、抗菌性 チタン金属及びチタン合金は強度が高く生体親和性に優れるので、人工関節、脊椎ケージ、人工歯根などに広く使用されている。我々は、簡便な化学処理及び加熱処理のみにより、これらの金属表面にイオン徐放性に優れた特殊な酸化物層を形成し、抗菌性と骨結合能を同時に付与する処理技術を開発した。一方、近年の積層造形技術の発達により、チタンインプラント形状を患部に適合させ、内部構造を精密に制御することも可能になっている。上記の表面処理技術を積層造形と組み合わせることでこれまでにない機能性インプラントの開発が実現する。 動物実験でその骨形成促進効果が確認された混酸-加熱処理を適用したフルカスタムメイド下顎骨用固定プレートは2022年3月に厚生労働省に承認され、8月より販売されている。また、早期の骨侵入と長期の抗菌イオンの徐放を実現する傾斜構造チタン多孔体(左図)を開発し、多様なチタンインプラントへの適用に向けてその骨形成能、抗菌性評価に取り組んでいる。【研究テーマ】●チタン金属及びチタン合金へアパタイト形成能を付与する化学処理及び加熱 処理技術の開発●化学処理及び加熱処理を施したチタン金属が擬似体液中でアパタイトを形成 する機序の解明●骨形成と抗菌性を両立する傾斜構造チタン多孔体の開発生命健康科学部生命健康科学部

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