中部大学研究紹介2023
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57キーワード相談に応じられる内容ウイルスによる病原性発現の分子機構の解明TSURUDOME Masato 生命健康科学部 生命医科学科教授 鶴留 雅人モノクローナル抗体の作製、ウイルス増殖効率の向上、ドラッグデリバリー パラミクソウイルス(パラインフルエンザウイルスやムンプスウイルスなど)の細胞への侵入は、ウイルス粒子表面に存在する受容体結合蛋白HNと膜融合蛋白Fの特異的相互作用によって媒介される膜融合誘導の結果である。また細胞に侵入したウイルスの増殖に伴って感染細胞表面に発現したHNとFは、感染細胞と非感染細胞との膜融合(細胞融合:多核巨細胞形成)を誘導することがあり、この現象はウイルスの感染拡大と病原性の発現に関与している。 パラミクソウイルスのHN-F相互作用による以上のような膜融合誘導に関しては、図に示すようなモデルが提唱されている。しかしHN蛋白とF蛋白の物理的結合の検出は極めて難しく、確定的な情報が得られていないため、この相互作用の詳細な分子機構は不明である。【研究テーマ】●膜融合の定量法の開発●二分子蛍光補完法(BiFC)によるHN-F相互作用の検出● 光架橋法によるHN-F相互作用の検出● HN蛋白に依存しない膜融合誘導活性をもつ変異F蛋白(L22P)を用いた ウイルス増殖効率向上法の開発●L22Pを用いたドラッグデリバリーシステムの開発パラミクソウイルス、膜融合蛋白、受容体結合蛋白多核巨細胞 核 キーワード相談に応じられる内容心血管病・認知症の先制医療                            NODA Akiko生命健康科学部 生命医科学科教授 野田 明子健康管理・疾病予防を目的とした睡眠・運動指導に基づく健康長寿プログロムの開発、生体情報の遠隔モニタリング、心・脳機能に関する研究、画像診断技術、血圧変動に関する研究、健康管理と運動・スポーツ、不眠・過眠の予防、交通事故に関する研究動脈硬化、高血圧、睡眠障害、認知症、心不全、概日リズム、運動、脳機能 社会の24時間化および超高齢化により、睡眠時間や睡眠周期の変化は、眠気や疲労感の増大・気力の減退・注意や記憶力の低下など精神機能や認知機能の低下をもたらす。さらに、睡眠不足や睡眠障害は、肥満、生活習慣病および心血管病の罹患リスクを高め、こころとからだの健康を日々リスクに曝すことになる。また、これらは、交通事故や重大な産業事故も引き起こし、経済的損失は甚大であり、社会的問題となっている。 当研究室では、先制医療および健康管理に役立つ睡眠・運動指導に基づく健康長寿プログラムの開発および遠隔監視システムの構築に関する研究を進めている。【研究テーマ】●健康寿命の延伸を目指した認知行動療法プログラムの開発●心血管病や心不全の病態生理の解明と非薬物治療に関する研究●認知症および高血圧予防に関する研究●睡眠・覚醒遠隔モニタリングに関する研究 ●精神疾患診断・治療のための臨床検査技術の開発●睡眠障害・健康管理に役立つアプリおよびロボットの開発●交通事故予防に関する研究スタートデジタルヘルスケア豊かな長寿社会段階1段階2段階3健康寿命の延伸世代間交流によるまちづくり運動の効果睡眠分析従来認知症・心血管病予防地域支援→こころの健康生活指導→からだの健康睡眠・運動指導アプリ開発健康度時間経過生命健康科学部生命健康科学部

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