中部大学研究紹介2023
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58独自HPキーワード相談に応じられる内容熱や痛みなどの感覚刺激を受容し調節する分子機構の研究KATANOSAKA Kimiaki生命健康科学部 生命医科学科准教授 片野坂 公明動物行動試験、感覚ニューロンの培養およびこれを用いた各種生理学実験、疼痛に関する薬効試験、感覚受容体タンパク質のバイオセンサーとしての応用 我々の皮膚・筋・内臓などの感覚は、感覚受容器(一次感覚ニューロン)が各々特定の刺激によって興奮することにより生じる。しかし、熱や機械刺激などを受容し、神経の活動へと変換するための分子機構については不明な点も多い。さらに、感覚受容器とそれに続く神経経路の活動の変調は、傷病時の痛み(痛覚過敏や自発痛)や感覚異常の要因でもあり、その予防と治療の観点からも重要な研究テーマである。私達は、遺伝子欠損マウス・培養感覚ニューロン・各種生理学実験・動物行動試験・免疫組織化学等、様々な手法を駆使して、感覚受容器の情報変換機構ならびに神経や筋の機械刺激に対する適応のしくみに関する研究を行っている。【研究テーマ】●高温痛覚刺激の受容メカニズムの解明 ラットやマウスを用いて高温感受性の痛み受容器細胞を同定し、その 発現分子と機能的特徴の解析から、高温受容のメカニズムを調べている。●培養感覚ニューロンの機械応答と活性調節機構●機械感受性イオンチャネルの生体における機能●炎症・神経損傷モデル動物での感覚受容器の機能変化●筋の機械受容応答と適応の分子基盤痛み、温度感覚、機械感覚、感覚ニューロン、イオンチャネル、痛覚過敏、筋肉痛、メカノバイオロジー特許P99参照キーワード相談に応じられる内容環境ー健康ー食品バイオー医療をつなぐ健康長寿研究YAMASHITA Hitoshi生命健康科学部 生命医科学科教授 山下 均肥満、糖尿病、脂肪肝などメタボリック症候群の予防改善をめざす共同研究(化合物、食品機能の探索、検証など)環境温度、脂肪細胞、熱産生、エボジアミン、微細藻類、肥満、インスリン抵抗性、健康長寿 世界的に進行する地球温暖化により日本においても気温の上昇が年々進みつつある。環境温度の上昇はエネルギー代謝などの生理機能や疾患に対する抵抗性に大きく影響する。エネルギー代謝や体温調節に重要な役割を果たす褐色脂肪の機能は加齢とともに減弱していくが、温暖環境下ではその機能低下は加速し肥満やメタボ発症の要因となる。 我々が褐色脂肪の研究を通して蓄積した知識と技術は、肥満やメタボの予防改善のための医薬品や食品開発に資するものであり、実際に可食性天然素材の開発研究に活用されている。また、褐色脂肪やベージュ脂肪の分化誘導に係る新規内分泌因子CREG1を見出し、その生理機能の解明と抗肥満、メタボ予防への応用をめざした研究を進めている。【研究テーマ】●高温環境が生活習慣病の発症と病態進展に及ぼす影響の研究 高温環境における体温上昇がメタボや認知症に与える影響について 明らかにし、それらの予防法開発につなげることを目指している。●CREG1の生理的役割とメタボ予防改善作用の解明 CREG1の作用機序や肥満・糖尿病に対する作用について病態モデル マウスなどを用いて研究を進めている。●微細藻類の抗肥満/インスリン抵抗性改善作用に関する研究 可食性微細藻類の脂肪細胞増殖や分化に対する効果や抗肥満作用 などについて研究を進めている。●研究業績などは下記のURLを御覧ください。 https://www.chubu.ac.jp/about/faculty/prole/00c58411b9436c 50b3506ad5466a895e79d608cb.html!"#$%&'(#$)*+,"#$!"#$%&#'()*+,!"#$"-./012345678234569:;<=>*?@-./01AB.C*DE!"#$%!"FG$HFIJKLM*NOPQRS!"#!!"$!#%!!"$TUIJ*VUIJW#$&XYZ4[\]!"#$%&'()*+%&'&&%(,-./-.*./*.!"#$01'%&'2)^_`a生命健康科学部生命健康科学部

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