中部大学研究紹介2024
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60キーワード相談に応じられる内容高機能生体活性チタン金属インプラントの開発社会実装分野フルカスタムメイド下顎用固定プレート、脊椎ケージ等YAMAGUCHI Seiji生命健康科学部 生命医科学科准教授 山口 誠二インプラント材へ骨結合能及び抗菌性を付与する表面処理法、表面構造解析、医療機器開発特許P95参照Ti、Ti-6Al-4V合金、Ti-Zr-Nb-Ta合金、アパタイト、擬似体液、骨形成促進、抗菌性 チタン金属及びチタン合金は強度が高く生体親和性に優れるので、人工関節、脊椎ケージ、人工歯根などに広く使用されている。我々は、簡便な化学処理及び加熱処理のみにより、これらの金属表面にイオン徐放性に優れた特殊な酸化物層を形成し、抗菌性と骨結合能を同時に付与する処理技術を開発した。一方、近年の積層造形技術の発達により、チタンインプラント形状を患部に適合させ、内部構造を精密に制御することも可能になっている。上記の表面処理技術を積層造形と組み合わせることでこれまでにない機能性インプラントの開発が実現する。 動物実験でその骨形成促進効果が確認された混酸-加熱処理を適用したフルカスタムメイド下顎骨用固定プレートは2022年3月に厚生労働省に承認され、8月より販売されている。また、早期の骨侵入と長期の抗菌イオンの徐放を実現する傾斜構造チタン多孔体(左図)を開発し、多様なチタンインプラントへの適用に向けてその骨形成能、抗菌性評価に取り組んでいる。【研究テーマ】●チタン金属及びチタン合金へアパタイト形成能を付与する化学処理及び加熱 処理技術の開発●化学処理及び加熱処理を施したチタン金属が疑似体液中でアパタイトを形成 する機序の解明●骨形成と抗菌性を両立する傾斜構造チタン多孔体の開発独自HPキーワード相談に応じられる内容「ひこうき」のエクササイズ出産前後の女性のメンタルヘルスに関する研究社会実装分野妊産婦向けアプリや出産準備クラスでの応用YOKOTE Naomi 生命健康科学部 保健看護学科准教授 横手 直美帝王切開分娩に関する医療製材や関連製品の開発、冊子等の監修協力、マタニティ/ベビーに関する教育やエクササイズ・プログラムの監修協力帝王切開分娩、情報提供、メンタルケア、母子のエクササイズ、産後うつ病 日本では妊婦の10人に1人が緊急帝王切開で子どもを出産しているが、 母親に対する出産前準備教育やメンタルケアの不足が課題であるため、PEACEプログラムを開発した。「お産の『もしも』に備えよう」と称したブックレットと動画教材を制作し、周産期センター・総合病院の産科・産科クリニックで、分娩時のトラウマを予防し、妊婦の適応力を高めるための介入研究を実施している。同プログラムを一般の妊婦向けアプリにも実装するとともに、出産施設や行政での教材活用のサポートを行い、普及を目指している。 産後うつ予防の研究として、乳児の健やかな成長発達を促し、母親のストレスや育児不安を低減させるために、母子の運動と育児教育を融合した「子育てセミナー」を本学で開催している。コロナ禍ではオンライン開催への変更に伴い、教材動画を開発した。 そのほか、妊娠期の共働きカップルや帝王切開分娩のカップルへの出産準備教育の充実に向けて、公益社団法人愛知県助産師会、NPO法人ファザーリング・ジャパン、NPO法人フィット・フォー・マザー・ジャパンと共同研究や教材編集協力を行っている。【研究テーマ】●緊急帝王切開時の妊婦の適応力を高める出産準備教育●母子の運動と育児教育による産後うつ病の予防●妊婦・褥婦へのショート・エクササイズの活用 (左の写真は参加者の承諾を得て掲載)動画教材制作のようす教材用ブックレット(表紙)生命健康科学部生命健康科学部
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