中部大学研究紹介2023
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66特許キーワード相談に応じられる内容“総合的”な予防医学の研究-0次から3次予防及び、救急医学や死までを包括-    ITO Morihiro 生命健康科学部 スポーツ保健医療学科教授 伊藤 守弘予防医学に関する事項、感染制御に関する技術、抗インフルエンザウイルス活性の評価、がん予防教育、心肺蘇生法の質評価に関する検討 医療は、「病気の治療」や「社会復帰の促進」などから、「早期発見」・「健康増進」という、人々の関心が予防医学へと確実にシフトしている。予防医学は元来、衛生学・公衆衛生学・微生物学等が担当してきたが、近年、より総合的な予防医学としての再考・細分化(上図)がされてきている。当研究室は、これまで、ウイルス研究における予防医学(下図)を中心に取り組んで来た。感染症の原因となるウイルスを解析し、ウイルスが特定されれば、治療法が確立される。また、ウイルスを識ることで、予防法を探究することができ、予防接種や診断法の開発につなげてきた。これらの経験をベースに、現在の微生物学に固執せず、大きなくくりである予防医学を研究軸として進めている。具体的には、従来の微生物学・感染症学分野を基盤としながら、生活習慣や身体生理学的な分野、メディカルチェック、リハビリテーションなどの進んだ予防と、予防から突出した分野である救命医療や死後画像診断まで、幅広い研究テーマを展開している。 【研究テーマ】●ウイルス感染における細胞障害機構の解析●抗ウイルス活性の評価●新しい生活におけるマスク着用時の生理学的影響評価●心肺蘇生(CPR)の体位が質に及ぼす影響の検討●病院前救急医療におけるモバイルエコーの有用性検討予防医学、病原微生物、感染制御、CPR、画像診断P99参照キーワード相談に応じられる内容刑事施設に収容されている被収容者への健康講座 NAKATANI Kozue准教授 中谷 こずえ 生命健康科学部 スポーツ保健医療学科被収容者の健康維持増進ケア、被収容者の健康相談、認知症ケア、LED照明を活用した概日リズム調整、介護施設における看護・介護教育、被収容者、健康維持増進ケア、健康講座、認知症、LED照明、看護と介護の協働  罪に問われた人が、拘留・矯正施設においても、自身の健康に目を向けたセルフケアを支援するシステムはどこにもみあたらない。健康や医療に関しては施設ごとに閉ざされており継続した医療さえ受けることが難しいことも多い。そのため、健康行動に関して自己変容ができるように関わり、罪に問われた人が、自身で健康行動がとれるようになり、社会復帰の基盤づくりをすることで、再犯率も下げられる可能性が考えられる。また、自身を大切にできれば、他者の存在も大切にすると考えられる。以上から、罪に問われた人が、自身の健康に目を向けることで行動変容を支援する社会復帰プログラムを開発することを目的とする。【研究テーマ】●刑事施設で生活する被収容者に対する健康講座(対面・通信教育)●認知症高齢者の日常生活に関する選択的支援ケアの有効性 ●認知症ケアメソッド比較「バリデーション」「パーソンセンタードケア」  「ユマニチュード」●コロナ禍における刑事施設で生活する被収容者の生活状況変化と健康実態●LED照明システムによる概日リズム調整が施設高齢者の睡眠に及ぼす影響エンパワメントアプローチ生命健康科学部生命健康科学部

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