中部大学研究紹介2024
70/102

69キーワード相談に応じられる内容“公共とは何か” あるべき社会を考えるチャールズ・テイラーの公共論の研究UMEKAWA Yoshiko経営情報学部 経営総合学科准教授 梅川 佳子新自由主義と公共論の関係、現代国家と公共社会アジアにおける公共圏 現代社会においては、欧米のみならずアジアでも、複数の文化の間で緊張関係が発生しており、国家内的な対立や、国家間の対立が生じています。特に、諸国家間の適切な関係と政治的な安定をいかに確立するかという課題が大きな問題になっています。そこで、新たな政治共同体のあり方を探究してきたチャールズ・テイラーの哲学が注目されています。現代日本においても、テイラーの著作の邦訳が出版されつつあり、テイラー研究の重要性が認識され始めています。 しかし、テイラーの諸著作が難解なこともあり、彼の政治哲学を包括的に明らかにしようとする本格的な研究は、日本においては、まだ着手されたばかりです。そうした中で、私の研究は、欧米でもまだ解明されていないテイラー青年期の公共論(共同体・国家論)を解明しています。この研究は、今後のテイラー研究に対して貢献をしていくだけでなく、現代の国家内外の危機に対応する方策をさぐることにもなります。 現在は、彼の公共論についての研究を基礎として、公共論と新自由主義の関係、アジアにおける公共論の研究、グローバルな共同体における多文化主義の研究、現代の公共社会における女性の役割の研究へと視野を広げています。【研究テーマ】●テイラーの共同体論を読み解き、現代国家の内外の危機を打開する方策 をさぐる●新自由主義と公共論の関係●カナダにおけるデモクラシーと連邦制政治哲学、公共哲学、カナダ政治、チャールズ・テイラーキーワード相談に応じられる内容新教育ツールを用いた会計意欲の向上~勘定絵科目かるたで学ぶ財務諸表分析と経営管理~SOBA Nanae経営情報学部 経営総合学科准教授 曽場七恵会社向け:経営管理へ会計知識の導入意義、会計教育研修学校向け:会計レクリエーション、公民教育での会計授業支援 社会において会計に対する需要は年々高まっているものの、簿記・会計のスキル取得や会計職を目指す若者は減少の一途を辿っている。 また、会計の重要性を認識している社会人(経営者・従業員)であっても、会社の成績表である決算書を見ると、沢山の勘定科目と数字の羅列を見て苦手意識を持つ人は多い。 本研究では、従来の簿記や会計の授業で根付いた苦手意識を克服すべく勘定科目をイラスト化し、その科目の意味を五七五七七の短歌にのせた「勘定絵科目かるた」を用いたアクティブラーニングの導入とその効果を測定することを目指している。 学習指導要領が改正され、中学校や高校においても会計教育が求められるようになっている社会の中で、若者に簿記や会計の仕組みだけでなくその面白さを伝える機会として、授業の他にかるた大会等のレクリエーションを実施している。会計情報を有用に活用できる人材がもたらす経営効果を示唆したい。【研究テーマ】● 簿記や会計に関する意識調査(学生、社会人)● 簿記や会計の授業へのアクティブラーニングの導入● 勘定絵科目かるたを用いた授業の効果測定● 経営者の簿記や会計知識への自信と経営管理の関係経営管理、勘定科目、学習指導要領、会計教育経営情報学部経営情報学部

元のページ  ../index.html#70

このブックを見る