中部大学研究紹介2023
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77キーワード相談に応じられる内容ディスカッションに基づく創造的リベラルアーツ教育文理の枠を越えた21世紀型教養と学問リテラシーの修得SUZUKI Junko創造的リベラルアーツセンター 人間力創成教育院 語学教育プログラム 兼任教授 鈴木 順子文理の枠組みを越える教養教育、多分野統合型ディスカッション指導、グローバルリーダーとなるべき社会人に必要とされる21世紀的教養、リベラルアーツとしての多言語修得 現代社会に生きる私たちが、直面する数々の問題を解決していくためには、さまざまな専門分野の人間が多様な知見を持ち寄り、相異なる価値観をすり合わせながら話し合いを重ねて互いに納得できる結論を見出すことが何より必要となる。 いま大学における教養教育で最も求められているのが、「自分で問題を見つけ、調査し、表現し、討論し、協力して解決する力」を身につけることに他ならない。そしてそれは専門知を得た3、4年生や大学院生こそ必要であり、さらに社会人になっても重要となる学問リテラシーである。言い換えればそれは総合的で能動的な21世紀的知性なのである。 本研究室で特に重要テーマとして掲げて取り組んでいるのが、1)文理の枠を越えた複合的問題解決を目的とするディスカッション授業、2)リベラルアーツとしての第二外国語教育、3)文理を問わず討論の際に共通して必要とされる哲学・芸術の基礎教養、情報収集・統合能力と論理思考の育成、である。【研究テーマ】●21世紀型リベラルアーツ教育の実践と討論指導●女性思想家シモーヌ・ヴェイユにおける人文知と科学●哲学史における幸福論:古代ギリシアから現代まで●リベラルアーツとしての第二外国語教育-理論と実践リベラルアーツ、第二外国語、文理融合、ディスカッションキーワード相談に応じられる内容『天草版平家物語』(1592)、来日した宣教師たちが布教のために日本語を学習する際の日本語教科書キリシタン文献を用いた日本語史研究CHIBA Takashi准教授 千葉 軒士 日本語史、キリシタン語学、活字印刷史 1549年のフランシスコ・ザビエル来日から、徳川家康の禁教令の出る1612-1614年までの約半世紀の間、イエズス会の宣教師たちは布教活動に必要な日本語を学習するための様々な書物を作成した。これらの「キリシタン文献」に対する理解を深め、主に当時の日本語の実態を読み解く研究を行っている。 この資料にあらわれる日本語に対する記述からは、日本語母語話者が看過してしまったであろう当時の日本語の変化や実態を読み取ることができる。ここから、日本語の歴史はもちろんのこと、さらには外国人がどのように日本語を捉え、学習してきたかという観点から日本語教育史にも新たな知見を与えることが可能である。このグローバル化の時代において、現代の外国人の日本語習得についても寄与できよう。また、辞書等他国の言語を自国の人にわかるように表現する必要のあるものを通して、そこにあらわれる彼らの有する文化と日本の文化の相違点や共通点等を探ることも可能であると考えている。【研究テーマ】●日本語史研究(主にローマ字表記)●キリシタン語学研究●キリシタン版・印刷史●辞書史キリシタン語学、キリシタン版、印刷史、ローマ字表記創造的リベラルアーツセンター現代教育学部 兼任研究所・センター等研究所・センター等

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