中部大学研究紹介2023
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78キーワード相談に応じられる内容オランダにおける「教育の自由」の理論と実践の研究SAWADA Hiroyuki教職課程センター准教授 澤田 裕之就学制度、通学区域制度、区域外就学、フリースクール 「学びたい時に、学びたい場所で、学びたいことを学ぶためにはどうすればよいのか?」 今日、不登校の児童生徒や虐待を受け、その環境から逃避せざるを得ない状況にある子どもも少なくない。また、経済的理由から志望する学校への入学が叶わず、不本意入学をせざるを得ない子どもや親も多く存在している。現行の教育制度下において、「学びたくとも学べない」子どもたちの「学ぶべき権利」は必ずしも保障されているとは言い難い。 一方、オランダでは「教育の自由(Vrijheid van onderwijs)」を謳う憲法第23条が1917年以降、憲法の教育条項として位置づけられてきた。このため「学校設置の自由」「教育組織の自由」「教育方針・信条の自由」も保障され、且つ公立及び私立学校の財政平等の原則を明記していることから、公教育に占める私学の割合は7割におよび、現在も多種多様な学校が設置されている。 これまで、この教育制度理念を構築してきたオランダを研究フィールドに設定し、公教育における私学の在り方や子どもの学ぶ権利保障について制度 研究を行っている。【研究テーマ】●オランダの教育費国庫負担制度に関する研究●オランダにおけるオルタナティブ教育の意義と課題●オランダとドイツの学校選択の自由―財政平等と質保障―の研究学校、私学、学習権、学校選択、オルタナティブ教育、フリースクール図1 オランダ憲法第23条2項、7項及び8項訳図2 オランダの教育体系•キーワード相談に応じられる内容学生支援の3階層モデルとコミュニティ独立行政法人日本学生支援機構 大学における学生相談体制の充実方策について  (佐藤加筆)地域コミュニティ地域コミュニティ地域コミュニティ地域コミュニティ大学コミュニティ大学コミュニティ大学コミュニティ大学コミュニティ第3層専門的学生支援第2層制度化された学生支援第1層日常的学生支援学生学生相談における連携構築に関する研究SATO Eri学生相談室教授 佐藤 枝里カウンセリング、「若手社員の理解とその対応」に関する研修、「新入社員の適応支援」に関する研修、発達相談・育児支援 『大学における学生相談体制の充実方策について(日本学生支援機構,2007)』では学生支援・学生相談を教育の一環として位置付け、学生支援はすべての教職員と学生相談機関との連携・協働によって達成されると提言している。大学コミュニティにおける相談機関として、3階層の学生支援、すなわち教職員による学習指導や窓口業務といった自然な形で行う「日常的学生支援」、クラス担任制度や何でも相談窓口などの役割を負う教職員による「制度化された学生支援」、そしてより困難な課題が生じた際に相談室等で行う「専門的学生支援」がよりよく機能し、学生の自尊感情と主体性を育成する相談場面構築のための研究を行っている。【研究テーマ】●大学コミュニティにおける相談室の連携・協働システムに関する研究 大学コミュニティの人的資源と学内外の関係部署との連携・協働によって、 学生の成長可能性を育成する相談場面構築に関する研究を行っている。●心理教育としてのグループワークに関する研究●談話室運営による学内居場所づくりと学生間の絆づくりに関する研究●学生相談の一環としての保護者支援に関する研究●予防教育としての地域コミュニティ支援学生相談、連携協働、青年期、思春期、適応支援、コミュニティ研究所・センター等研究所・センター等

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