中部大学研究紹介2023
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85独自HPキーワード相談に応じられる内容糖鎖による癌と神経変性の制御機構解明と治療法開発   ー 糖鎖応用による生活の向上と健康の発展を目指すー                         FURUKAWA Koichi特定教授 古川 鋼一糖鎖解析・修飾法、抗体作製と利用法、遺伝子ノックアウトマウスの作製と活用法、エクソソームの分離と解析法、遺伝子導入と発現解析法 私たちのグループでは、癌細胞や神経細胞表面のタンパク質や脂質に結合する糖鎖に注目して、異常糖鎖がもたらす細胞変化と細胞内シグナルの異常を解析してきました。 とくに、癌関連糖脂質の細胞膜ミクロドメイン(脂質ラフト)における細胞のシグナルの調節異常を中心に研究を進めて、糖鎖とさまざまな膜分子との共同作用を明らかにして報告してきました。 さらに、癌細胞が分泌する小胞(エクソソーム)につき、悪性黒色腫、脳腫瘍(グリオーマ)、肺癌、大腸癌など、有効治療法がない癌に対する有効治療法、転移・再発の抑制、早期治療法への応用開発を目指しています。【研究テーマ】●癌関連糖鎖、とくにシアル酸結合糖脂質の構造と役割の解析 癌関連糖鎖の作用機構の解析、とくに膜脂質ラフトの役割の解明●癌細胞が分泌するエクソソームの動態と機能解明 特に癌転移や癌微小環境の制御における機能解明と、エクソソームを 標的にした癌治療戦略の構築●癌関連糖鎖に結合する抗体を用いた、癌の免疫治療法の開発、特に 抗体とT細胞受容体のキメラ (CAR-T) による若年者腫瘍の治療法開発●糖鎖認識分子の自然免疫チェックポイント系の阻害による癌の治療開発糖鎖、糖脂質、糖タンパク質、癌、免疫治療、抗体、CAR-T治療癌細胞が分泌するエクソソームが、癌の転移先を決めて、 さらに癌の周囲の環境も癌細胞に有利になるようにコントロールしている.キメラ型抗原受容体:CAR-T細胞はGD2陽性のAS細胞を100%傷害した特許P99参照キーワード相談に応じられる内容Zonal Hybrid SystemZHS熱とマイクロ波の高効率な複合反応の研究             SATO Motoyasu卓越教授 佐藤 元泰ゾーナルハイブリッド加熱による迅速・高効率、各種マイクロ波化学反応試験(Max 750℃)、都市鉱山レアメタル回収試験(廃電子部品の加熱分解)、セラミックス迅速焼結 マイクロ波加熱による効率的な反応を研究している。化合物1から2への化学反応や相変化は、1の状態の分子が、エネルギー障壁(活性化エネルギー)を乗り越え、2の安定状態に移る現象。温度が高いほど、分子の運動エネルギーが大きいので、この壁を越え易くなる。熱以外の方法で分子に揺動(運動エネルギー)を与えるならば、反応速度K*は、マイクロ波揺動と熱エネルギーの和であることを理論的に見出した。マイクロ波の作用の分だけ、低い温度で、同じ反応が得られ(左図)、また、この促進効果は、マイクロ波の質(コヒーレント性)と電磁界強度に比例して、大きくなります。【研究テーマ】●マイクロ波加熱に於ける非平衡遷移状態理論の研究●Zonal Hybrid System【ZHS】の開発 この理論をもとに、高品質のマイクロ波を狭いゾーンに閉じ込める新たな 高効率システム(ZHSと命名)を開発している。バイオ・製薬、有機・無機 化学反応、焼結、精錬、都市鉱山からのレアメタル回収など、様々な業種に、 省エネ・高選択性・高収率な反応系が提供可能である。マイクロ波励起音波、熱・音響フォノン複合、空間分離型マイクロ波・熱複合炉マイクロ波は、電気伝導性が高い耐熱壁の内部に照射され、熱は、この炉壁を通して外部から供給されます。つまり、マイクロ波と熱のエネルギーは、それぞれ、空間的に隔離して与えます。マイクロ波電波を反応に必要な容器の内部に閉じ込めるため、電界密度(強度)を高く出来ます。!!!"!k*=q†qaqbRTh+m*2hexpE*RT 研究所・センター等研究所・センター等

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