信頼71号
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教員紹介教えて!先生のコト担当科目の「機械学習」と「深層学習」について教えてください。「機械学習」ではデータから規則性を学習し、分類・回帰といった予測や分析を行うための基本的な手法や考え方を学びます。「深層学習」は、ニューラルネットワークを用いて画像認識や自然言語処理などの複雑な課題に取り組む方法を学習し、CNN、Transformerといった代表的なモデルについて理解を深めます。どちらも人工知能の基盤技術を学び、理論と実装に関する体系的な知識を習得する科目で、AI技術の活用法を理解し実社会の課題解決に向けたAI設計・開発能力を養います。学生には、それらを単に使うのではなく、AIを自ら設計・構築できる「作る側」の人材として成長することを期待しています。AIを正しく応用する力を身につけることで、既存のツールに依存するのではなく、課題に応じた最適なモデルを自ら構築・改良できるAIエンジニアとして活躍し、将来はAIの中核技術を担う立場で社会課題の解決に貢献してほしいと考えています。教育&研究の道に進むことになったきっかけは何ですか?中学生のときに参加した一日入学体験で、「TK-85」というコンピュータ(アクリル板越しに基板が見えるタイプのマイコン)に触れる機会がありました。そこで“カッコいい”と強い興味を持ち、工業高校に進学して情報工学の分野に進むことを決めたことがきっかけです。その後の学生時代は、「よく学び、よく遊べ」を実践する日々。大学院生の頃は研究室で朝を迎えるほど研究に打ち込むこともありましたが、土曜の夜にはハウスミュージックが流れるクラブに出かけるなど、メリハリのある生活を送っていました。このスタイルは今も変わっていません。教員としてのやりがいは、学生が卒業研究を通じて問題解決能力を身につけていく姿を見られること。卒業後にその教え子と共同研究や仕事をする関係に発展することも大きな喜びです。変化の激しいAI技術の分野では、卒業後も頼れる存在であり続けられるよう、教員自身も日々学び続けることが大切だと感じています。Q.プライベートでよく見るWebサイトは?ファッション、ストリートカルチャーの最新情報が充実している「Hypebeast(ハイプビースト)」。テクノロジーと社会、カルチャーの交差点を深く掘り下げるメディア「WIRED(ワイアード)」。Q.国内外問わず好きな場所は?素晴らしいオーディオシステムを備えたお気に入りの珈琲店が瀬戸にあります。海外では、ピッツバーグ(米国)です。27歳から30歳まで過ごした街で、長男が生まれた場所でもあります。この街での経験は今の自分の基盤となっており、まさに“アナザースカイ”と呼べる第二の故郷です。Q.好きな音楽・ミユージシャンは?特に影響を受けたアーティストは、坂本龍一やGoldmundのような繊細で情感豊かな音楽家や、FKJやKraftwerk、Massive Attackといったエレクトロニックやトリップホップのパイオニアたちです。クラブミュージックやダブ、特にハウスミュージックが大好きです。Q.学ぶ&学習する際のコツは?大切なことは、一緒に取り組む仲間がいることだと思います。ただし、その仲間は必ずしも人である必要はなく、対話型AIでも良いパートナーになります。対話を通じて自分の理解を深めたり、気軽に質問できたりする環境があるだけで、学習はぐっと進めやすくなるはずです。 ふじよし  ひろのぶ藤吉 弘亘 教授岐阜県生まれ。中部大学大学院工学研究科電気工学専攻博士後期課程修了後、米カーネギーメロン大学ロボット工学研究所研究員を経て、2000年に中部大学へ。コンピュータビジョン機械学習、深層学習理工学部 AIロボティクス学科専門分野担当科目藤吉先生 深掘りQuestionHypebeastWIRED11

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