信頼71号
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8学部27学科を擁し、多様な科目を学べる環境は、教員の多様さを表した中部大学の特色でもあります。先生の担当科目や学生時代、普段は聞けない個人的な質問にも答えていただきました。担当科目の「給食経営管理論」について教えてください。大量調理について学ぶ科目です。給食を提供する集団の特性に合わせて、栄養目標量やエネルギー必要量などの設定方法や献立作成、また、衛生管理をはじめ、食材や生産の管理、毎回同じ味を届ける品質管理などについて学びます。献立作成では、病院や高齢者施設、学校など、施設や対象者によって気をつけるポイントが異なります。病院では栄養価や栄養量を守ることが大事ですし、高齢者施設では家庭的な食事や季節感を取り入れること、学校給食では食育を考慮したりします。また、コミュニケーション力も不可欠です。普段からコミュニケーションが取れていればスムーズに調理が進みますし、何か手助けが必要な場合には「手伝って」と声を上げることもできます。限られた時間内での提供にはとても大切な要素で、72号館1階の実習食堂で100食を提供する給食実習は、特にチームワークの重要性を学ぶことができる機会でもあります。管理栄養士になろうと思ったきっかけは何ですか?家が農家で、食べることが好きで、叔母が栄養士だったという3つです。学生時代は大阪の叔母の家に下宿して通学。お好み焼き屋でのアルバイト経験から優先順位をつけて行動する力が身につきました。卒業後は、全員が栄養士として働く学科でしたので、私も当たり前のように病院に就職。しかし、思い描いていた働き方と違ったことや、病院は管理栄養士でないと務まらないと思い、思い切って退職しました。その後に留学した先で大学院の存在を知り、帰国後、再度栄養について学び始めました。その後は、母校で助手として働いたり、海外でボランティアをしたり、さまざまな縁を頂き現在に至ります。近年は、“タイパ”や“コスパ”が重視され、すぐに結果が出る職種が人気のようです。しかし、管理栄養士としては、人の身体は長い時間を経て食べてきたもので成り立っていると伝えたい。本学科の学生には、食べることの大切さをより多くの人へ伝えていってもらえるよう願っています。Q.ボランティアはどちらへ?青年海外協力隊の栄養士の枠で2年間、アフリカのザンビアへ行きました。そこで北海道大学の先生と出会い、帰国後に北大の研究員として働きました。アフリカからの帰国の際、トランジットで立ち寄った空港で飲んだ、ペットボトルのお茶の安定したおいしさは今も忘れられません(笑)。Q.学生から相談を受けたら?さまざまな制約はあると思いますが、留学や就職など、学生が興味を持った際、「やめておきな」ではなく、「やってみたら」とアドバイスをしています。可能性は無限大です。挑戦する気持ちへの後押しをするようにしています。それは子ども、大人、年齢は関係ないかもしれませんね。Q.おすすめレシピを教えてくださいおなかよろこぶ♡腸活ベジカレー今年の夏も暑いですね。暑いときはやっぱりカレー!でも市販のカレールウは油が多く含まれていて意外と高カロリーです。また、暑い時期に煮込み料理は億劫かもしれません。そこで、野菜、きのこ、こんにゃくなどをたくさん使った食物繊維たっぷりのドライカレーはいかがでしょうか?ひき肉に加え、茹で卵や枝豆を入れることでたんぱく質もしっかり摂れますよ。 こうざい香西 はな 講師岡山県生まれ。川崎医療福祉大学大学院医療技術学研究科臨床栄養学専攻(修士)、健康科学専攻(博士)修了。大阪府立大学、北海道大学を経て、2014年に中部大学へ。給食経営管理、食物アレルギー、国際栄養給食経営管理論応用生物学部 食品栄養科学科専門分野担当科目香西先生 深掘りQuestion▲レシピ12
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