信頼70号
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VOICE 01VOICE 02大学院進学は入学時から検討していました。入学してすぐに工学部の先生で中部大学天文台の副台長でもある大嶋晃敏先生から、大学院の創造エネルギー理工学専攻を紹介していただいたこと、また天文台での活動を通して進学の意思が強くなり、学部3年の研究室配属時には進学を決めました。私の場合、応用生物学部から工学研究科へという異なる専攻への進学のため、その観点から言えば、必要な準備は学部生のときから「副専攻制度」を利用すると良いと考えます。副専攻は、他学科の講義を20単位※履修することで認定を受けられる制度で、自由選択科目の範囲で履修することができるため、私は卒業に必要な124単位よりも負担が増えることはありませんでした。今は望遠鏡の主鏡の研磨方法を研究していますが、研磨のコントロールが難しいです。しかし、仮説通りに研磨が進み、少しずつ使いこなせるようになるととても面白いのが魅力です。就職先は天文に関する光学系のメーカーを探していますが、近隣では見つからないため、今は博士後期課程へ進学し、国立天文台へ通いながら研究を深めることも考えています。大学院への進学を考え始めたのは学部3年の7月でした。専門的な講義や実験が始まり、研究に興味を持ち、兄から、「学部4年だけでは、研究が面白くなってきた頃に卒業だ」と聞いたこと。また、親からは、「就職するとやりたいことや学びたいことの優先順位は低くなるから、今できることは迷わずやりなさい」と言ってもらえたことで9月には進学を決めました。後輩からは、「4年で卒業してほしいと言う親に、院へ行きたいと言いづらい」と相談されるため、私は恵まれているかもしれません。大学院での研究は、学部で学ぶ基礎知識の複合体ですので、普段の講義をまじめに受けることが大切です。また、論文を読むための英語力も必要です。今の研究はいつか人々を救うことができる可能性がある点がやりがいです。私が考える最大の幸せは、健康で長く生きること。その幸せをより多くの人に届けるきっかけを作りたいと思っています。今後は、内々定先の機能性食品原料メーカーで研究者としてだけでなく、製品の販売促進分野でも活躍し、世界に向けて機能性食品の素晴らしさを伝え、食品が持つ可能性を広げていきたいと思っています。齋藤 允由樹さん工学研究科創造エネルギー理工学専攻博士前期課程2年武田 薫さん応用生物学研究科応用生物学専攻博士前期課程2年副専攻制度を利用し、学部生の早い段階から進めた準備。1年間では短いと教えてもらい、背中を押してもらった親に感謝。望遠鏡の主鏡(放物面凹面鏡)の研磨方法に関する研究。2型糖尿病モデルマウスによる認知機能低下と食品由来因子による予防抑制作用の検証。研磨に使用している「ピッチ盤」は、温度や荷重に敏感で変形しやすいため、研磨のコントロールが難しいところ。そのため、ピッチ盤や研磨面の様子をよく観察しながら、仮説を立てて研磨を試しつつ測定を行っています。糖尿病による認知機能低下に対して、食品由来因子でも予防抑制作用効果があるのではないかと考え、脳に到達することが確認されているジペプチドを2型糖尿病モデルマウスに投与することで、認知機能低下を抑制する作用があるか検証しています。研究テーマ研究テーマ研究内容研究内容※現在は16単位22

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