大学案内2024
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PICK UP TOPICS[津田 孝範研究室]エネルギーを消費する脂肪細胞を食べ物で増やす「食品機能学」について、食品中の「何が」「何に効くのか」「なぜ効くのか」を研究しています。具体的には、脂肪を燃やして熱に変え、エネルギー消費を増やす褐色脂肪細胞を増やす研究をしています。つまり、食べながら健康的に痩せられるのでは、というわけです。褐色脂肪細胞を増やす食品成分として、カレーの色素クルクミンなどを明らかにしました。最近は、「運動」と「食品」の併用で、その効果をさらに増やす研究しています。成果の一つとして、アミノ酸混合物(すでに特定保健用食品として販売されています)と運動の併用で褐色脂肪細胞を増やすことを突き止めました。この成果をもとに、肥満・糖尿病予防食品などの開発も民間企業と進めています。また、当研究室は学年を問わず仲が良く、メリハリをつけて楽しく研究できることが特徴です。学生の皆さんは充実した研究生活を送っています。[吉村 和也研究室]植物の有用物質生産能力を解明し、向上させる植物は私たちの食に欠かせない重要なものです。当研究室では、植物の有用物質生産過程や悪環境抵抗性の仕組みについて遺伝子/分子レベルで解明すること、それらを改良して植物の栄養機能や環境抵抗性を向上させることで、高機能、高付加価値でかつ優れた生産性を有する作物の育種を目指した研究を行っています。例えば、植物は私たちにとって必須の栄養成分である“ビタミンC(アスコルビン酸)”を豊富に蓄積していますが、決して私たちに提供するために作っているわけではありません。アスコルビン酸は植物が過酷な自然環境下で生き抜くために多量に合成し、利用しています。当研究室では、植物がビタミンCの合成量をどのようにコントロールしているのか、遺伝子レベルでどのように改変すればビタミンCを高蓄積した植物を作ることができるのかについて最新のバイオサイエンスの手法を取り入れて解析しています。[藤原 孝之研究室]食品プラントを活用して、地域密着型の食品開発さまざまな食品加工機器を備えた「食品プラント」を利用して、食品の加工技術を研究しています。特に、近隣の自治体や農業生産者などと連携し、商品化につながる実践的な食品開発手法を学びます。また、食品の味や食感など、美味しさを評価する技術に着目した研究も行います。acbdefc.植物はアスコルビン酸を豊富に含み、抗酸化、酵素の補因子、細胞分裂・伸張、電子伝達など、さまざまな役割に利用しています。d.LEDを利用して、さまざまな波長が植物の生育に及ぼす影響についての研究も行っています。e.左は梨、右はブドウ(シャインマスカット)のドライフルーツ試作品です。いずれも上は外観や食味のよい新製法、下は従来製法によるものです。f.製麺機により、うどんなどの麺類を試作できます。a.エネルギー消費を増やすタンパク質を抽出しています。b.エネルギー消費を増やすタンパク質が茶色に染色され、増加しています。研究室研究室研究室106

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