2024年11月28日

  • 受賞・表彰

生命健康科学部生命医科学科の新谷正嶺准教授、 次世代生物百科辞典のアイデアで基礎生物学研のコンテスト準優勝! ーAI技術による生物の多角的観察と教育・研究への貢献ー

新谷正嶺准教授(生命医科学科、AI数理データサイエンスセンター)

生命健康科学部生命医科学科の新谷正嶺准教授が、自然科学研究機構 基礎生物学研究所(NIBB)が主催する「NIBB AI-Biology Ideathon 2024」において、「AIと多視点画像解析およびデータ集約による次世代生物百科辞典3.0の構築」という革新的なアイデアを提案し、準優勝に輝きました。
Ideathon(アイデアソン)はアイデア(Idea)とマラソン(Marathon)を掛け合わせた言葉で、特定のテーマについてアイデアを出し合い、それをまとめていく形式のイベントです。「NIBB AI-Biology Ideathon」は、生命科学の研究に人工知能(AI)を活用するアイデアを募集したイベントで、今回が第1回目の開催でした。

受賞内容

NIBB AI-Biology Ideathon 2024 賞状
NIBB AI-Biology Ideathon 2024 準優勝 表彰状

新谷正嶺准教授が提案したアイデアは、多数の2次元生物写真をAI技術で解析・統合し、さまざまな姿勢や角度から生物を観察できる次世代の生物百科事典3.0を構築するものです。

一般の人々が撮影・投稿した写真やメタデータを集約し、AIがそれらを解析して生物の3Dモデルを生成します。これにより、ユーザーは生物の動きや姿勢を自由に切り替えながら、多角的に観察することが可能になります。

例えば、教育現場では学生が絶滅危惧種や希少生物、近くで観察することが困難な生物をリアルに学ぶことができ、研究者は生物の詳細な形態や行動パターンを新たな角度から分析できます。このプロジェクトは、生物多様性の理解と教育・研究の発展に大きく貢献すると期待されています。

今後の予定

この受賞を機に、新谷正嶺准教授はアイデアを実際の形にするコンテスト「NIBB AI-Biology Hackathon」(以下、ハッカソン※)の運営にも加わることになりました。このハッカソンは、基礎生物学研究所と本学の連携事業として実施されることが決定しています。次回のハッカソンでは、今回の受賞アイデアを基に具体的なプロジェクトが進められ、その実現に向けて大きな一歩を踏み出しています。

  • ハッカソン:プログラムの改良を意味するハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語で、情報技術(IT)の専門家やクリエイターたちがチームを組み、与えられたテーマに対して定められた期間に集中的にソフトウエアやサービスを開発してアイデアの斬新さや技術の優秀さなどを競い合うイベントのことです。2000 年代半ばごろから米国の企業やベンチャーキャピタルなどが、これまでにない新しくイノベーティブなソフトウエアやサービスの開発、魅力的な投資先の発見を目的として開催するようになりました。現在では、斬新なアイデアや優れた技術の発見、またはそれを具現化することを目的としたイベントとして、世界各国に広がり、企業のほかにも政府や自治体、大学などが、自動車やヘルスケアといった業種別や、音楽、アート、教育など、さまざまなジャンルのハッカソンを開催しています。ハッカソンは、短期間での集中開発を通じて迅速なプロトタイプの作成やアイデアの具現化を可能にし、参加者同士の交流や成長の場としても重要な役割を果たしています。今後も多様な分野でのハッカソン開催が期待され、さらなる技術革新と社会的価値の創出が見込まれています。

ハッカソン開催予定

日時:2024年度内を予定
場所:自然科学研究機構 岡崎コンファレンスセンター(予定)
参加者:AIや生物学に興味のあるプロフェッショナルおよび学生
内容:AIを活用した生物の3Dモデル作成を中心に、データ整理や解析のスキルを競うコンテスト。選定された動物の画像データを基に3Dモデルを作成し、その精度や創造性を競います。
備考:詳細は決定次第、本学ウェブサイト等でお知らせいたします。

基礎生物学研究所(National Institute for Basic Biology: NIBB)

愛知県岡崎市にある大学共同利用機関。生物現象を分子細胞レベルで解明することを目指し、7つの研究領域(細胞生物学、発生生物学、神経生物学、進化多様性生物学、環境生物学、理論生物学、イメージングサイエンス)で幅広い研究を行っています。また、基礎生物学研究の中核拠点として全国の研究者に共同利用・共同研究の場を提供しています。

「NIBB AI-Biology Ideathon 2024」

NIBBが目指している生物現象の解明である「超階層生物学」の推進に併せて、多様な生物学的データを統合的に理解するため、またそのための多様かつ膨大なデータを結びつけて新しいアプローチ方法を求めるAI技術とコミュニティ科学を組み合わせたアイデアコンテスト。

お問い合わせ先

受賞および研究内容について
新谷正嶺(中部大学 生命健康科学部 生命医科学科 准教授)
Eメール:shintani[at]isc.chubu.ac.jp ※アドレスの[at]は@に変更してください。
電話:0568-51-9180

報道に関するお問い合わせ先
中部大学 学園広報部広報課
Eメール:cuinfo[at]office.chubu.ac.jp ※アドレスの[at]は@に変更してください。
電話:0568-51-7638(直通)