中部大学

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東日本大震災(3):未曽有のこと

【2011年4月19日】学長ブログ

第82号

 新年度のためのいろいろな行事も滞りなく済ませた気の緩みから、この時期は体調を崩すのが慣わしでした。今年は3月11日の東北地方太平洋沖大地震による未曽有の震災のためか、まだ緊張が続き、お陰で丈夫にしています。地震発生からすでに一月が過ぎましたが、まだ、放射能の原発内への封じ込めなど、先の見えない苛々の募る毎日です。あるのは当事者のできないことの釈明ばかりです。その大きな理由は、今回の出来事は未曽有のことで、その解決のための知恵や方策を持ち合わせていないことです。
 私たち個人の生活にとっては、毎日が未曽有のことと言えるほどの新しいこととの出会いの連続であり、この初めての出会いを避けていたのでは生活は成り立ちません。だから、個人として持ち合わせている知恵だけではなく、その時代が提供するあらゆる知恵や方策を、それらが例え不完全であろうと寄せ集めて活用しています。試行錯誤の中で正解とは言えなくても、最適解を探り出し、解決へと繋いでいます。
 このたびの原発事故に対する一連の対処を報道等で見る限り、この生活の知恵が全く活かされていないように見えます。原発の放射能が制御不能な未曽有の事故だと認識したその瞬間から、その対応策については世界中の人々にその解決のための知恵や方策を求めるべきです。世界に散在している多様な知を信じ、今日の人類知のすべてをこの難局の解決に動員すべきでしょう。役に立つか立たないかの論議は不要です。未曽有とは世界の知の発掘と再構成へ挑戦することです。

     

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