中部大学

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東日本大震災(4):風評被害

【2011年5月4日】学長ブログ

第84号

 この度の東日本大震災は地震、津波、原発そして風評の4つの被害が重なっている、と言う人もいます。前の2つは天災であり、後の2つは人災です。私たちはこれほどまでに人工物の世界に命と生活を預けてきたのかと、改めて思い知らされています。確かに、人々はその最低の命と生活を守る術を放棄して、すべてを他に委ねてきたのです。そして、足らないところはすべて他に対して要求し、陳情することで賄うという状況を生んだのです。
 ところで、今日のこの災害は電気、水道、道路、情報通信、住宅等の人工物の破壊に加えて、市役所、原子力委員会、東京電力株式会社そして中央政府等の人工(人造)の社会組織や社会制度さらには社会的な秩序が機能不全を起こすことによって、その解析と解決を一層複雑にし、困難にしています。しかし、人々はこのような大災害から一刻も早く抜け出すために、いろいろな対応や対策を図ることは当然なことで、持てる知恵を総動員することになります。ここでは、藁をもつかむ思いが優先し、その情報が断片的であろうと根拠不足であろうと取り上げ、それに即応します。だから、恣意的ではないとしても「ガセネタ」がますますはびこります。
 このような混乱の中でも、命と生活を守る力となるのは、最低限の生活をいつでも自力で実行しうるだけの基礎的な知識と技を身に付けておくことでしょう。そうすれば、風評に惑わされることもなく、また、風評被害を与えることも、風評被害を被ることもなくなるでしょう。

     

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