中部大学

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梅雨冷えとクールビズ

【2011年6月2日】学長ブログ

第87号

 今年は5月の下旬に梅雨に入りました。3月11日の天災と人災に対処するため、国を挙げていろいろな我慢に耐えてきています。その一つが省エネ、節電のためのクールビズの前倒しであり、本学でも5月16日から10月15日までの5カ月間を軽装による自己放熱促進期間としました。ところが、6月に入った途端に4月下旬の気温に戻り冷え込みました。梅雨冷えです。クールビズからウォームビズへ衣替えしたくなりました。皮肉なことです。
 生物、特に変温動物や植物にとって、環境の温度はその成長や活動を決める基本的な要素であり、その活動量はある温度範囲内では温度が10度上がれば2倍になるとされています。生物はすべての温度に対しては直線的ではなく、変曲点(臨界温度)を持つ不連続な反応をします。私たちの体温が36度から37度へと1度上がるのに比べ、同じ1度でも37度から38度への上昇は、悪寒を催し体調不良が甚だしくなります。1度の意味合いが異なるのが生物の温度応答です。
 ところで、気温は夜明けに低く、昼過ぎに向けて高くなり、日内変化は10度を超えることも珍しくありません。私たちはこの程度の気温変化には十分適応する能力を持ち合わせており、この気温変化を身体能力の鍛錬に用いています。むしろ温度が一定の環境こそが能力退化を促しかねません。だとすると、梅雨冷えは異常な温度ではなく誤差の範囲であり、通常の生理作用で対応可能であり、ウォームビズは不要と言えるし、昼過ぎに30度になるからといって早朝からクールビズで構えることもないでしょう。生物は変化によって鍛えられているから、余分な対策は生物のためならずであり、お節介でもあるでしょう。

   

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