※学年は取材時
姉妹そろって数学が好き、子どもたちに数学の楽しさを教えたい!
プロフィール
写真右:中川翠颯(ナカガワ ミハヤ)さん。理工学部 数理・物理サイエンス学科 2年。愛知県立五条高等学校出身。学科では数理サイエンスコースに所属しており、ノートと筆記用具を使ったアナログ的な手法で数学の問題に取り組んでいる。将来は子どもたちのレベルに合わせた個別指導ができる塾講師を目指しており、現在は学科での勉強と塾講師のアルバイトに励んでいる。
趣味は音楽鑑賞。周りから勧められた音楽はジャンル問わず一通り聞く。
写真左:中川千颯(ナカガワ チハヤ)さん。理工学部 数理・物理サイエンス学科 2年。名古屋大学教育学部附属高等学校出身。純粋数学(代数学・幾何学・解析学など)が好きで、学科では姉(翠颯さん)と同じ数理サイエンスコースに所属している。将来は子どもたちに数学の楽しさを教えるなど、教育関係の仕事に就くことを目指している。
趣味は読書、流行りのダンス動画を見ること。姉と同じく塾講師のアルバイトをしているので、小中高生と勉強以外の話題でもコミュニケーションが図れるように流行を追っている。
中部大学を選んだ理由

翠颯さん:「小学4年生で塾に入るまで算数は特別好きではありませんでした。学校の授業内容を塾でより詳しく解説してもらい理解できるようになったことで、楽しさに気がつきました。中学校から高校へと数学のレベルが上がり、問題を解く過程や、なぜこの答えになるか理由を知る面白さにのめり込んでいきました。大学ではより深い数学の知識を身につけ、公式の原理を知り、自分で証明できるようになりたいと考え、数学を専門的に学べる数理・物理サイエンス学科がある中部大学を選択しました。また、将来は塾講師になりたいと考えていたので、教職課程がある大学ということも決め手でした」
千颯さん:「姉と同じく、小学校の算数よりも中学校の数学のほうが難しく、理解できた時に手応えを感じ、楽しいと思うようになりました。当時担当された数学の先生の教え方が上手く、学習意欲が湧く授業だったおかげで、数学の能力や興味を育むことができたのだと思います。大学では将来に向けて教員免許を取得したいと思い、高等学校教諭一種免許状(数学)を取得できる中部大学を選択しました」
学科での勉強内容

翠颯さん:「数理・物理サイエンス学科の数理サイエンスコースでは純粋数学を学びます。授業では公式を利用して解く問題もありますが、大部分が“公式の証明”です。公式の真の意味を知ることは興味深く、大変という気持ちより“楽しい!もっと知りたい!”という気持ちの方が強いです。ノートと筆記用具を使ったアナログ的な授業が多いため、パソコンなどのデバイスに少し弱い部分があります(笑)。公式の証明を解くとノートがあっという間に埋まってしまうので、普段から大判のノートを使用しています」
千颯さん:「印象に残っている科目は『代数学(数の代わりに文字を用いて方程式の解法などを研究する学問)』です。高校で学んだことのおさらいもありますが、大部分は新しい内容であるため難しくもあり、達成感が得られる講義でした。少人数の講義なのでじっくりと学ぶことができます」
数学に関するイベントで幅広い世代に向けて授業


千颯さん:「2024年11月、第39回JST数学キャラバン『拡がりゆく数学』(主催:中部大学創発学術院)が中部大学リサーチセンター大会議室で行われました。このイベントは数学の魅力を最先端の研究者がわかりやすく解説するイベントで、当日は他大学の先生方の講演のほか、中部大学からは森脇淳教授(人間力創成教育院)がワークショップを行いました。事前に森脇先生から指示を受けていたため、姉とそれぞれ15分ほどの授業をさせていただきました。このイベントは会場とzoom配信で開催され、合計80名以上の方々が参加されました。日頃から塾講師のアルバイトで集団授業をしているものの、ここまで大勢の幅広い世代の方々に授業をするのは初めてだったので、とても良い経験になりました」
数学以外の視野を広げるために「アジアサマースクール」に参加



千颯さん:「2024年の夏に、タイ・バンコクにあるアジア工科大学院で『GIS(地理情報システム)』や『SDGs』を学ぶ『アジアサマースクール』に参加しました。フィリピン、ベトナム、ラオス、タイから参加した学生と共に、約2週間の滞在中、GISに関する講義を受けたり、『クボタファーム』や『GISTDA(タイ地理情報・宇宙技術開発機構)』を見学する実習がありました。他にもタイの文化遺産を訪れ、歴史を学ぶとともに文化に触れる機会が多くありました。
アジアサマースクールに参加した理由は、数学とは異なるの視点から物事を考えるきっかけが欲しいと思ったからです。また、私は英語が苦手で今まで避けてきたこともあり、大学生のうちに苦手なことに向き合おうと思ったことも理由の一つです。元々、知らない人と話すことがあまり得意ではないため、外国人学生と2週間、英語を使って生活することはとても不安でした。実際に参加してみると、伝えたいことを上手く伝えられず落ち込む場面もありました。しかし、一緒に参加した中部大学のメンバーや現地のルームメイトが助けてくれたおかげもあり、楽しかった思い出ばかりです。たった2週間の短い期間でしたが、一生忘れられない大切な経験になりました。参加メンバーとは、今でも時々連絡を取り合う仲です」
翠颯さん:「私も妹と同じく、普段は数学ばかり勉強していて思考が偏りがちなので、視野を広げたい気持ちでアジアサマースクールに参加しました。今回参加してみて一番印象に残ったことは外国人学生との関わりです。日本では当たり前だと思っていた生活環境やルールが他国では必ずしも同じとは限らないことに気づき、各国の考え方や文化を知ることができました。私も英語に苦手意識がありましたが、ルームメイトと仲良くなるために“英語でコミュニケーションを図れるようになりたい”と思うようになりました。他国の参加者に比べて自分の英語力が劣っていることを改めて実感したので、今後も英語は積極的に学んでいきたいと思います」
今後の目標、将来の夢

翠颯さん:「時間の自由が利く学生のうちに資格取得に向けての勉強や、大学のイベントなどに積極的に参加したいです。また、今はまだアルバイト先の塾生から質問されても上手く説明できないことがあります。それを完璧に説明できる塾講師になりたいと考えています」
千颯さん:「残り2年の大学生活、悔いが残らないように今しかできないことに挑戦したいと思っています。大学は講義を受けて学ぶ最後の機会なので勉強を頑張りたいです。また、これまでの2年間で大学祭の学科イベントで学生スタッフとして子どもたちと触れ合う機会が多くありました。今後もサイエンスショーやペットボトルで風車を作るワークショップなどを通して、数学や算数の面白さを子どもたちに伝えていきたいと考えています」