蝶類研究資料館

蝶類の個人コレクションとして最大級を誇る空前絶後の貴重な資産

日本有数の蝶の収集家である藤岡知夫氏が集めたギフチョウ、シジミチョウをはじめ、さまざまな種類の蝶の標本数約29万頭の「日本の蝶コレクション」がデータ整理をした後、2022年度までに移管されます。

蝶類研究資料館とは

本館は、蝶の研究家・コレクターとして著名な藤岡知夫氏が半生をかけて収集した日本産蝶類の標本すべてを収蔵する画期的な資料館です。蝶類の個人コレクションとしては最大級を誇る空前絶後の貴重な資産を、ひとつ残さず譲り受け中部大学で保存できますことは私たちの大きな喜びであります。

蝶が人々を魅了するのは、その美しさにあることは言うまでもありません。しかし、徹底的に集められ、かつ完璧に整理された標本コレクションの本当の価値は、その学術的展開の中にあります。たとえば、翅紋様の微妙な地域種内変異は、生物の辿ってきた進化の道筋をたどる手がかりとなり、ときには日本列島の形成史や気候変動をも明らかにする重要な証拠となることさえあります。特に現在は、適切に管理されてきた乾燥標本であれば蝶の脚一本からでもDNAを取り出すことができる時代です。

また、高精細デジタル標本写真とその深度合成生態写真による画像ライブラリーを構築し、採取地や生息環境等のGISデータを完備することで、モデリングやシミュレーションを駆使した研究も実現できるのです。

この貴重な資料を手にした私たちの役目は、それを未来に残すという責任と使命はもちろんのこと、大学の持っている科学テクノロジーを使って藤岡コレクションから最大限の学問的価値を引き出すことだと考えます。そして、この研究活動を通じて、本館が自然環境や生物多様性の理解を深めるための研究を進める拠点となることを希望しています。

藤岡コレクションとは

藤岡コレクションとは日本産蝶類土着種全種にわたり各地の標本が満遍なく集積された比類ないコレクションです。標本箱数約1800、総計約29万頭の展翅標本からなり、個人の手による日本産の蝶のコレクションとしては日本一の規模を誇るものです。

藤岡氏あいさつ

このコレクションを60年間にわたって収集した、日本産蝶類の収集家である藤岡知夫氏(元慶應義塾大学教授、元東海大学教授)のごあいさつです。