空間情報科学・エネルギー科学の基礎と応用技術を修得し、
それらを活用する学際的な次世代エネルギー科学技術者を創生
生活圏宇宙とエネルギー技術の基礎科目と「空間情報科学系」「エネルギー科学系」の専門科目を設け、太陽エネルギーをはじめとしたバイオマスエネルギーなどの新エネルギー技術の開発・発展や超伝導直流送電やスマートグリッドといった新しい省エネルギーシステムの技術開発、デジタルアースを用いた新しい資源探査技術や手法の開発、環境への影響評価などさまざまな部門の現場での活躍が要請されている高度専門技術者を育成します。
専攻の紹介
空間情報科学分野
エネルギー問題は、環境問題さらには人類社会の持続可能性の課題を内包しており、複数の学術分野から総合的に取り組むことが不可欠である。そこで本分野では、地域から地球まで関連する問題の全体像を俯瞰的にとらえ、解析することを可能にするGIS(Geographic Information System:地理情報システム)や空間情報科学(Geoinformatics)を駆使して、最先端の問題解決法に挑んでいく。例えば、国際GISセンターでは、2012年に多様な研究者の最新の知見やビッグデータなどの情報ソースを統合して、多次元の情報を多解像度でマルチディスプレイ上に見える化し、不確実性を可視化することができる「デジタルアースルーム」を設置。専門家と市民の協働による「知の統合」や「意志決定支援」の手法を開発している。
エネルギー科学分野
本分野では、太陽を含む地球周辺の自然エネルギー(太陽光発、風力発電など)や廃熱や燃料電池などの水素エネルギーを含む未利用エネルギーの開発を進めており、エネルギー輸送としては、超伝導直流送電技術に注目している。超伝導とは電気抵抗が0(ゼロ)となる現象で、究極の省エネルギー技術と言われている。超伝導技術が実用化される人々の生活は劇的に変化するだろう。このため、超伝導・持続可能エネルギー研究センターでは、2006年に文部科学省の補助を受け、世界初の20m超伝導直流送電実験装置(CASER-1)を稼働。その成果を受けて200mの実験装置(CASER-2)を建設し、実験を継続している。2013年からは本学が中心となり、石狩市で経産省の資金援助を受けて1000mの実験施設を完成し、世界一損失の少ない超伝導ケーブルを実現した。このため、ロシア、中国、オランダなどの電力会社と交流を深めている。