急速により高度で複雑化する化学技術で活躍する
独創性に富み問題解決能力を備えた才能ある人材へ
「物理化学」「無機化学」「有機化学」「化学工学」の4分野で構成されています。化学の専門知識を深め、応用力を身につけるとともに、先進的な化学技術者に必要な技術・研究開発能力を養成、社会に貢献するための教育・研究を行います。前期課程では化学工業の発展を担う高度技術者の養成、後期課程では創造的研究者の育成を目指しています。
専攻の紹介
材料物理化学分野
本分野では、溶液化学、電気分析化学、マイクロ波化学の分野について研究している。溶液化学の分野では、水および非水溶媒中におけるイオン活量係数、イオン移行活量係数および液間電位差に関する基礎研究、電気分析化学の分野では、イオン選択性電極の改良および新規作製並びに水および非水溶媒中における新電位差定量法の開発など、マイクロ波化学の分野では、マイクロ波のもつ特殊効果(内部加熱効果、電場効果、円偏波効果)を利用した新しいプロセス化学の研究を行っている。
無機物質分野
よりすぐれた機能を有するセラミック材料の開発を目指し、特に、P-OおよびP-N系新素材の合成とそれらの熱・電気・機械的特性と構造との相関の解明、無機ポリマーの錯形成、加水分解性等の溶液物性、高選択性かつ高感応性膜材料の開発、さらには有機-無機ハイブリッドポリマーの合成による新機能性素材の開発、骨と自然に結合する人工骨や低浸襲性治療材料としてのセラミックスの開発等を中心に研究に取り組んでいる。
有機材料化学分野
21世紀の化学工業に課せられた省エネルギー型のクリーンな生産体系を確立するには、触媒の開発および酵素の利用は不可欠である。本分野は有機材料の開発とその触媒的応用ならびに酵素の工業プロセスへの応用を研究する分野である。すなわち、含リン高分子化合物の高純度合成とその機能性開発に関連して高分子担持酸・塩基触媒能、高分子担持酸化・還元触媒能に関する研究に取り組んでおり、また、天然高分子触媒である酵素の利用に関する研究をも目指している。
環境化学分野
化学反応を伴う系を数量的に扱う手法を研究する。そのような系における物質・運動量・エネルギーの移動や、反応速度などの基本的な問題を学ぶ。研究ではエネルギーやそれに付随した環境問題を広く取り上げ、エネルギーの高効率利用法と、環境と調和した新技術 の開発、固体吸着剤等を利用した水質浄化の研究も行っている。具体的には、各種新2次電池の研究開発、次世代の石炭利用プロセスの開発、廃棄物の有効利用、河口域の浄化・修復を目指した物質循環サイクルの創成など、幅広い研究に取り組んでいる。
有機合成化学分野
有機典型元素および遷移金属化合物の合成、構造、機能を研究する。特に、リン、砒素、アンチモン、ビスマスなどの第15族典型元素および硫黄、セレン、テルルなどの第16族典型元素を含む新規の有機ヘテロ原子化合物を合成し、それらの構造、物性、反応性を解明して機能性有機化合物の合成法を開拓する。また、これらのヘテロ原子および有機金属元素の特性を活用した高選択的有機合成法ならびに有機電解法を研究する。さらに、分子力学、分子軌道法を用いた理論計算によって反応の解析・予測などを行う。