目指すは硬式野球部で全国制覇、支えてくれた人に恩返しを
プロフィール
山田典弘(ヤマダ ノリヒロ)さん。国際関係学部国際学科3年。愛知県・私立豊川高校出身。将来、環境問題や災害対策などグローバルな視点で物事を見る力をつけるべく、大学で国際学を専攻している。課外活動では硬式野球部に所属しており、内野手として活躍。2025年度愛知大学野球連盟春季リーグ戦では、指名打者としての安定した打撃が評価され、ベストナインに選出された。趣味は音楽鑑賞で、試合前には「Mrs. GREEN APPLE」の楽曲を聴いて、集中力を高めている。
中部大学を選んだ理由

「両親が中部大学の卒業生ということもあり、幼い頃から大学の魅力について話を聞く機会が多く、中部大学の存在は自然と身近なものでした。高校2年の秋、どの大学に進学して野球を続けようか悩んでいた時、当時の野球部のコーチに中部大学を勧められたことをきっかけに、受験を決意しました。
当初は他学部での受験を考えていましたが、グローバルな視点で物事を捉えられる力を身につけたいという思いが強まり、国際学を学べる国際学科を志望しました。
実際、学科での学びは非常に興味深く、世界各国の社会構造や文化に触れることで、日々、知的好奇心が刺激されています」
学科での勉強内容

「学科での学習内容は、英語を中心とした言語の学習、世界の政治・経済・法律といった国際学が中心です。
外国語学習では、英語・中国語・韓国語に力を入れて取り組んでいます。大学入学前、英語は最も苦手な科目でしたが、口にすると覚えやすいといった勉強法を学んだほか、先生方の手厚いサポートもあって、今では得意科目になりました。部活動で使う道具に英語の説明が書かれていても問題なく理解できるようになり、『苦手なことでも正しい努力をすれば克服できる』と身をもって知りました。
国際学においては、中国やアフリカなど世界中の国・地域と日本の文化や社会を比較する学びが特に興味深く感じられました。中でも、平井芽阿里准教授(国際学科)の『フィールドワーク論』はとても印象に残っています。先生が沖縄県の宮古島で行ったフィールドワークの経験をもとに、調査の手法や現地の人々との関わり方などを学びました。
現地の人々と交流している映像も見せていただきましたが、宮古島は日本国内でありながら、本州とは異なる祭事や言葉遣い、価値観が根付いており、『同じ日本でもこれほど違いがあるのか』と大きな衝撃を受けました」
中学校から始めた野球が生活の中心に

「野球を始めたのは中学1年生の時でした。小学生の頃はソフトボールに熱中していましたが、当時住んでいた地域には中学生が所属できるソフトボールチームがなかったため、野球に転向しました。当時はまさかここまで野球中心の生活になるとは想像もしていませんでした(笑)。
高校時代は寮で生活し、朝4時に起床してすぐに素振りが開始されるという日もあり、まさに野球漬けのハードな日々を送っていました。
大学でも練習量は多いですが、部員同士は気心の知れた、良い意味で上下関係を感じさせないフランクな雰囲気の中で、楽しくプレーができています。部員数は150人を超えており、広大な春日井キャンパス内でも歩いていれば誰かしらの部員に出会うほどです」
けがを乗り越えて「ベストナイン」に選出


「2025年度愛知大学野球連盟春季リーグ戦では、ベストナイン賞をいただきました。受賞の喜びに加え、この結果は決して自分一人の力では達成できなかったものであり、支えてくれた家族、これまで共に野球に励んできた仲間たちへの感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。
私は大学1年の冬にけがをし、椎間板ヘルニア(腰痛を伴う)と診断され、約半年間、野球ができない時期を過ごしました。けがをきっかけに競技から離れる選手も多い中で復帰し、大好きな野球を続けられていることに、幸せを感じています。野球ができなかった間も、ウエイトトレーニングやストレッチを継続し、基礎体力の向上に努めてきました。その努力が実を結び、復帰直後に行われた2024年度愛知大学野球連盟新人戦では、チームの優勝に貢献することができました。
けがによる離脱期間は、悔しさともどかしさで押しつぶされそうになることもありましたが、目の前の『今できること』に全力を注ぎ続けることの大切さを学びました。今回のベストナイン受賞も、その積み重ねの結果だと感じています。これに満足することなく、今後もチームの勝利に貢献し、支えてくれるすべての人々に恩返しができるよう励みたいです」
社会貢献を通して、人としての成長を実感

「硬式野球部では、練習や試合に加え、集団献血や清掃活動など、さまざまな社会貢献活動にも取り組んでいます。中でも集団献血キャンペーンは、2022年1月から年2回の頻度で継続している部の恒例行事で、私も1年生の時に初めて参加しました。これまで献血に対して特別な思いはありませんでしたが、実際に体験してみて、自分の小さな行動が誰かの命を救う助けになることを知り、社会貢献とはこんなにも喜びや充足感を得られるものなのだと感動しました。
また、春日井市内の軟式野球チームに所属する小学生を対象とした野球教室にも参加しています。私も子どもの頃、大学生が開催する野球教室で多くを学んだ経験があり、その恩返しのつもりで取り組んでいます。こうして次の世代の選手が育っていくのだと思うたび、胸が熱くなります。
このような社会貢献活動は、ささいなことかもしれませんが、実際に行動に移すことは意外と難しいものです。中部大学硬式野球部は、プレー面だけでなく、こうした活動にも積極的に取り組んでおり、野球以外の面でも多くのことを学ばせてくれる場です。貴重な経験を積ませてもらうたびに、『この部に入って本当に良かった』と日々感じています」
支えられてきたからこそ、次は支える人に

「今後の目標は、個人としては2025年度愛知大学野球連盟秋季リーグ戦で「首位打者」「ホームラン王」「打点王」の三冠王を獲得することです。チームとしては、神宮大会に出場して全国制覇を成し遂げることが夢です。将来的には社会人野球チームに所属し、ずっと野球を続けていきたいと考えています。いつか自分の子どもが成長したときには、一緒に野球を楽しめたらと願っています。
また、野球だけでなく、私生活においても周囲から『頼りにされる人物』になりたいと思っています。学科の学びを通して、人とのコミュニケーションが課題解決において不可欠な要素であることを知りました。将来は、世界中の人々と関わりながら、グローバルな視点で社会に貢献できる人材になることも目標の一つです。
これまで多くの人に支えられてきたからこそ、今の自分があります。今度は私が人を支える立場になれるよう、これからも努力を重ねていきたいと思います」