想いに寄り添う運動指導

身体機能の維持・回復を目的とした運動プログラムを提供する、リハビリ特化型デイサービス「名鉄レコードブック」。トレーナーの鈴木すぐるさんはここで、利用者一人一人の健康を支えている。鈴木さんはトレーナーとして入社後、関係機関との調整を担う生活相談員に異動となった。現場指導と相談業務の両職種を理解している存在は、社内でも極めて稀である。
「生活相談員の業務を通じて、契約事務やケアマネジャー様、ご家族との連携など、利用者様の生活を支える多角的な視点を得ることができました。現在は再びトレーナーとして現場に立っていますが、生活相談員時代に培った知識が大きな武器になっています。利用者様が今後どのような生活を送っていきたいのか、お一人お一人の意向を常に意識しながら、日々の業務に当たっています」
「また会いたい」を糧に
日々接する利用者は、既往症により日常生活の一部に不自由を感じていたり、外出への不安を抱えていたりする方が多い。しかし、そこには「最後まで自宅で暮らしたい」「自分のことは自分で行い、家族に迷惑をかけたくない」という、強い意志が溢れている。鈴木さんはその想いを受け止め、運動指導に励む。
「運動を通じて『楽に立ち上がれるようになった』『バランスよく歩けるようになった』といったお話を聞くと、この仕事を選んで本当に良かったと思いますし、やりがいにつながっています。それだけでなく、『ここに来ると元気になれる』『あなたに会うのが楽しみ』といった温かい言葉をいただくこともあり、私自身が利用者様やご家族の支えになっているのだと実感できることが、大きな喜びでもあります」
学びを自信に変えた4年間

大学時代は水泳部に所属し、三重県の実家から往復4時間かけて通学する多忙な日々を送った。「朝5時の始発電車で通学し、夜は部活後に23時に帰宅する生活でしたが、家族の協力のおかげでやり遂げました」と振り返る。
人生の転機となったのは、CAAC(中部大学アクティブアゲインカレッジ)での健康増進実習に関わったこと。「活気溢れる高齢者の方々を見て、『私もこん
な風に元気に歳を重ねたい』と思いました」。トレーニング内容の組み立てを考えたことが、運動指導を軸とする現在の職場へ進む決め手となった。
「CAACで多くの指導経験を積めたことが自信になりました。卒業論文で利用者様の運動習慣を研究し、他者の健康について深く考え抜いた時間は、私にとって大きな財産です」。大学職員向け運動教室や地域の方向けの体力測定など、学内外でアウトプットを繰り返した実績が、現場に立つ今も大きな支えになっているという。
経験が可能性を広げる
後輩となる学生の皆さんへ「とにかく『経験』を積み重ねてほしいと思います。私は『知らないことはもったいない』と思い、時間の許す限りとにかく興味のあることにすべて参加してきました。そのどれもが今の職場で働く際に役立っています。大学の4年間は、自分の可能性を広げる最高のチャンスです。中部大学というチャンスに溢れた環境を活用して、多くのことに触れてください」とメッセージを送る。
- ウプト236号(2026年2月28日発行)より転載
