これからの建築

建築は人間が便利で安全で快適な生活をするために必要不可欠なものです。しかしながら、近年、その便利で快適という生活の未来に大きな不安が投げかけられています。ひとつは、人間や社会のさまざまな問題であり、もうひとつは大量消費の帰結としての環境破壊の諸問題です。今、建築ではこれらの問題に取り組み、持続可能で人間らしく豊かな生活を実現できる道が模索されています。
5つの教育方針

建築学科では、これからの時代の要請に応え、みなさんをあてになる技術者に育てるために、「人間」と「環境」を中心にすえ、豊かな社会を構築し、地域の核となり社会に貢献できる建築技術者の育成という目標を設定し、5つの方針で教育しています。この5つの方針をもとに、共通基礎と専門に分けた教育目標を設定しています。
- 専門基礎教育の徹底と応用力の育成
- 創造的教育の充実
- 実践・体験型教育の実施
- 建築と社会のかかわりの教育
- 自主活動の支援
【方針1】専門基礎教育の徹底と応用力の育成
建築学のカバーする世界は広く、専門に特化していても、幅広い基礎知識が必要です。そこで、専門基礎教養を漏らすことなくマスターし、その上で得意な分野の応用力を磨いていくというシステムにしています。
【方針2】創造的教育の充実

建築は受注生産であり、その環境や用途といった条件はすべて異なります。先人の技術や業績を学ぶことはもちろん必要ですが、みなさん一人一人がクリエーターとして、ものづくりの訓練をする必要があります。そこで、創作的な科目を1年次のはじめから途切れることなく開講し、創造力を育てます。
【方針3】実践・体験型教育の実施

建築学は、自分の手と頭で考える経験工学です。机の上の講義も大切ですが、建築学科では、実際に物に触れ、体験し、発見する実験科目や実習科目を多く開講し、みなさんが理解を深められるようにしています。
【方針4】建築と社会のかかわりの教育
建築は、その時代、その社会、その街の顔です。古今東西、世界中の街角は建築が主役といっても良いでしょう。建築学科では、歴史や風土、社会とのかかわりを十分理解し、協調性や社会性のある建築技術者を養成しています。
【方針5】自主活動の支援

与えられたものをこなすだけでは、これからの社会で活躍することはできません。自発的に建築にかかわっていく前向きな姿勢を建築学科では応援しています。少し背伸びして、自主的に調査や設計・実務などいろいろな活動をすると、授業の中だけでは分からなかった新しい発見や感動が必ずあります。これまでにも、多くの先輩が、設計コンペやインターンシップ(就業体験研修)など自主活動を行って、一回り大きく成長しています。