“スマートな社会”の実現に必要なのは、これまでの分野を超えた幅広い知識
電気自動車を安全に走らせる。送電網の電力を適切に送る。さまざまなモノの動力となる電気エネルギーを操り、スマートな社会を実現するために欠かせないのが、電気・電子・情報工学です。従来は分かれていたこれらの分野ですが、家庭や街、工場まで、あらゆるモノをインターネットにつないで通信を行い自在に制御する“IoT化”が進みつつある今、技術開発の現場ではすべての知識を持ち“システム”の視点で考える技術者が求められています。そこで中部大学工学部では、従来の電気システム工学科と電子情報工学科を統合。新たに電気電子システム工学科を設置します。
“学んで、触れて、操る”経験により、第一線で活躍できる技術者を育成
モノを動かす“電気エネルギー利用技術”。さまざまな機能を実現する集積回路などの“エレクトロニクス技術”。そしてIoTや制御に不可欠な“情報通信技術”。これらを複合的に学び、システムとして全体を見渡せる視野と、新しい発想や価値を創出する力を獲得します。実物に触れる実験を豊富に設け、単に知識があるだけでなく、学んだ理論を駆使して実際にモノを操れる人材を育成するのが大きな特色です。日本有数のものづくり集積地・東海地区をはじめ、国内外の自動車・航空・ロボット・家電・半導体材料・電力設備業界など、多彩な活躍の舞台が待っています。
電気+電子+情報技術によるシステムの代表例(電気自動車を走行させる場合の動作)
道路状況に応じて、車間を適正に保ち自動走行
【情報通信技術+エレクトロニクス技術+電気エネルギー利用技術】
衛星から受信した地図情報や道路情報、車載センサで収集した車間距離や速度の情報に応じて、アクセル・ブレーキ・ハンドルを自動で操作。
●いろいろなモノがつながるIoT。自動運転もその一つ。衛星や車載センサに加え、路車間・車車間通信で取得した情報を利用した適切な制御により、渋滞や事故の解消、環境との共存を実現するスマートな車社会に向けて、技術開発が進んでいます。
①アクセルペダルが踏み込まれた量をセンサが検知
【エレクトロニクス技術】
ペダルの踏み込みという物理量を、センサが電気信号に変換します。
●ほかにも車間距離測定・障害物検知用のセンサや、パワーステアリング、電動シートなど、多数のエレクトロニクス技術が搭載されています。
②センサの信号をもとに、コントローラが指令を出す
【情報通信技術+エレクトロニクス技術】
センサの情報を受信したECU※が演算を行い、アクセル開度に応じた量の電気エネルギーを送り出すようバッテリーに指令を送信します。
※ECU:Electronic Control Unit=電子制御ユニット
●自動車にはさまざまな機能のECUが搭載され、電気自動車はもちろんガソリン車にも用いられています。
③指令に応じてバッテリーの電気をインバータ経由でモーターへ
【電気エネルギー利用技術+エレクトロニクス技術】
インバータによって直流を交流に変換し、ACモーターを駆動します。
●インバータに用いられる、大電流にも耐える“パワー半導体”の利用技術とモーターおよび発電機技術は、電気エネルギー利用技術とエレクトロニクス技術を融合した分野です。