2022年7月15日

  • 教員

経営情報学部 経営総合学科 堀尾 郷介 先生

堀尾先生メイン

サッカーが専門
サッカーにおける戦術分析、トレーニング方法の研究

プロフィール

堀尾 郷介(ホリオ キョウスケ)先生。鹿屋体育大学大学院体育学研究科博士後期課程満期退学。修士(体育学)。名古屋グランパストップチームでのデータ分析コーチを経て2021年4月に中部大学に着任。経営情報学部 経営総合学科助教。本学サッカー部の監督も務めている。

愛知県生まれ。奥様とお子さん3人の5人家族。食べ物の好き嫌いはなく、初めてのお店に行くのが好き。最近のおすすめは静岡県にあるジビエ料理店の塩味の猪鍋。

堀尾先生を Close Up!

先生の研究内容

堀尾先生お話中

「サッカー選手は試合中、どのくらいの速度でどのくらいの距離を走っていると思いますか?また、ボールを受ける前はどこを見てプレーしていると思いますか?私は、サッカー選手の移動距離や時間、動きなどのパフォーマンスを分析する、『Time-motion分析』をしています。主にGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を用いて、試合中やトレーニング中の移動距離を数値化しています。競技水準(スタメン選手、控え選手)、ポジション(フォワード、ミッドフィールダー、ディフェンダー)、コンディションの違い(体重、筋量、トレーニング量)、チームのフォーメーションや試合の重要度(リーグ戦・トーナメント戦)、試合の勝敗の観点から選手の移動パフォーマンスを評価する方法や、選手の走・跳躍能力、方向転換能力や間欠的運動能力を反映するトレーニングや練習中に行われる体力テストが試合時の選手の移動パフォーマンスとどのくらい関連しているかを研究しています。
また、情報工学科の山下隆義教授に動画像処理の力を貸していただき、サッカー選手がプレー中にいつ、どこを、どう見てプレーを判断しているのか、指導者は選手のいつ、どこを見てプレーを評価しているのかも共同で研究をしています」

研究を始めたきっかけ

移動距離と心拍数の経時変化グラフ
移動距離と心拍数の経時変化のグラフ

「幼少期の頃からボール遊びが好きだったのでサッカーを習い始めたのですが、小児喘息を患っていたためあまり走れませんでした。そのため、自分が『今日はいつもより動けている!』と思えた時でも、指導者からは『もっと動け、走れ!』と言われてしまい、指導者と自分の感覚との違いに疑問や不信感を持つことがありました。そんな思いを抱えながらサッカーを続けていく中、大学院生の時に高井洋平先生(現:鹿屋体育大学スポーツ生命科学系准教授)の研究室に所属し、スポーツの戦術分析、記述分析やTime-motion分析の研究と出会い、サッカー選手の測定や分析などに取り組みました。研究室で分析した内容を選手や指導者にフィードバックすると試合中の移動距離に変化が見られたり、指導者が自身の主観とデータとの違いを認識できて、競技力・指導力向上につながりました。このことがきっかけで、もっと分析・研究すればよりよい指導につながり、見逃していた『天才』を見つけて育成できるのではないかと思うようになりました」

Jリーグ「FC岐阜」との連携授業「スポーツビジネス」を担当

「学生を指導する中で、スポーツを『する』『観る』学生は多くいますが、『支える』または『創り出す』という視点でスポーツをとらえている学生が少ないと感じました。スポーツの可能性に目を向けると、日本政府は6年前に『日本再復興戦略2016』を発表しており、GDP600兆円に向けた『官民戦略プロジェクト10』の中でスポーツの成長産業化を挙げています。このプロジェクトによる潜在効果は、2015年の市場規模5.5兆円から2025年にはおよそ3倍の15兆円になると予想されています。
また、名古屋グランパスのコーチ時代に味わった『非日常的な空間』『スタジアムの一体感』『選手、スタッフやサポーターの枠組みを超えたクラブへの感情移入』は特別なものでした。この感覚を現場で学生と共有したいという想いが強まり、2022年4月から『スポーツビジネス』として授業を始めました。この授業は、全15回の授業をJリーグ『FC岐阜』と連携して行っています。FC岐阜はJリーグで唯一、県内の42市町村がホームタウン(クラブの本拠地)で、地域振興、スポーツ普及、社会貢献やスポーツとSDGsなどさまざまなテーマに沿った地域貢献活動を600回以上も行っているチームで、そのようなチームと連携して授業をすることは学生にとってとても勉強になります。大学としても非常に珍しい取り組みです。チームと連携して学生がより深く学べるように授業を進める難しさや、試合運営実習では試合当日の朝から終了後の夕方まで長時間にわたる活動など苦労もありますが、それ以上に『支える』『創り出す』側の面白さと苦労はもちろん、必要なことや足りないことなどを感じながら学んでいる学生の姿が見られうれしく思いました。受講した学生の中から、これからのスポーツビジネス業界を引っ張っていく人が育つことが楽しみです」

先生の学生時代

「学生時代はサッカー部に所属していました。朝6時30分から練習をして8時30分頃から授業を受け、午後4時過ぎから午後の練習をし、練習後はチームメイトと食事に行くという毎日でした。土日も練習や試合でほとんど休みがありませんでしたが、たまに休みができた時は友人と近くの海で魚を捕まえたり、川で泳いだり、登山をしたりと自然にたくさん触れ合っていました。大学の周辺は学生街で飲食店が多く、自然も豊かなので食事がとにかくおいしかったです。街の人も皆さんあたたかくて優しく、居酒屋で仲良くなった地元の人に誘われてご自宅のBBQに参加させていただいたこともありました」

堀尾先生学部生時代

学部生時代、練習後に大好きな先輩と登った鹿児島県鹿屋市の高隈山御岳

堀尾先生大学院生時代

大学院生時代、学会発表後の打ち上げ

メッセージ

堀尾先生プロフィール

「人を驚かすことができる人になってほしいです。誰かと比較することなく、自分が面白いと思えることを大切に進んでいってください。人や物のせいにして逃げるのではなく、自分の大きな可能性を信じること、期待することが大切だと思います。自分を信じて何かを成し遂げられれば、自分の利益だけではなく所属する組織の利益につながり、社会の利益や世界平和にもつながってくると思います。私は、みなさんの成長に驚く日を楽しみにしています!」

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