2023年3月15日

  • 教員

理工学部 宇宙航空学科 服部公央亮 先生

服部先生メイン

音声・画像処理が専門
音声・画像認識技術を用いたセンシングに関する研究

プロフィール

服部公央亮(ハットリ コオスケ)先生。名古屋工業大学大学院工学研究科情報工学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。アメリカカーネギーメロン大学のロボティクス研究所で博士研究員を経て、2014年に中部大学に着任。理工学部 宇宙航空学科 准教授。

愛知県生まれ。趣味は美術館や博物館へ行くこと、料理。パンが大好物で、名古屋にあるお気に入りのパン屋に通いつめ、今では店主と顔なじみになっている。

服部先生を Close Up!

先生の研究内容

服部先生お話中

「主に画像データによるセンシング(検知器や感知器、測定器などを用いて測定対象の定量的な情報を取得する技術)について研究しています。情報を取得するためには、装置『ハードウェア』と認識手法『ソフトウェア』の2つの開発が必要です。レーザーや顕微鏡などの光学機器を用いて、対象物から必要な情報を取得できるようにハードウェアを構築し、その後、画像処理や統計処理、AI(人工知能)を用いて認識・可視化を行い、取得した情報を処理するソフトウェアを構築します。対象物は航空機や自動車の部品、生体組織、気体の流れなど多岐にわたります。構築したセンシングシステムを実際に企業や病院などで使用してもらい、役立つことが最もうれしい瞬間です。

過去には顔面神経麻痺(まひ)の患者さんの顔をレーザースキャナーで三次元計測して定量評価したり、過去14年分の診療データの統計から治療経過や予後を予測するソフトウェアを開発しました。このシステムは大学病院の電子カルテシステムに組み込まれ、経過予測を見せることで患者さんの心理的負担を軽減することができるようになりました」

服部先生の研究内容
服部先生の研究内容

研究を始めたきっかけ

「幼少期は動物が好きで、生物に関する本をよく読んでいました。中学生になり、コンピュータ実習室を放課後に借りて、独学でプログラミングを始めたことをきっかけにソフトウェアの世界にのめり込み、趣味でゲームを制作するようになりました。制作したオンラインゲームをインターネット上で公開していた当時、1万人以上のユーザーに遊んでもらえたことがとてもうれしかったです。大学ではネットワークを使用したソフトウェア開発の研究室を希望しようと考えていましたが、名古屋工業大学3年生の当時、より実用的な画像・音声認識の研究をしていた梅崎太造先生(現本学理工学部 AIロボティクス学科)の研究室を見学し、面白そうだと思い、先生の研究室に入りました」

先生の学生時代

「学校から帰宅後はゲームのプログラムを制作しつつ、家族の分も夕飯を作っていました。このとき身につけた料理スキルは、後にアメリカの大学で博士研究員として働いていたときに、外国の人とコミュニケーションを取る上でも役立ちました。例えば、あんこやわらび餅を作って日本の文化を紹介することもあれば、七面鳥の丸焼きなどアメリカの料理に挑戦することもありました。また、学生時代にチャットをしながら一緒にプログラムを制作していた友人とは今でも連絡を取る仲で、自分が知らない業界の現状などを聞き、学生の就職活動支援の参考にしています。実は、この友人とは今まで一度も実際に会ったことがありません。いつか会いに行くか、それとも、このままオンライン上の友人という関係も面白いと思っています。

大学4年生で研究室に所属した後は、指導教授の梅崎先生から画像と音声の認識技術を教わりながら、多くの企業・研究機関の方々と共同研究をさせていただきました。三次元計測器などのハードウェアを長年に渡り開発していた熟練のエンジニアや、光学に詳しいミニディスクの発明者などと一緒に研究する機会に恵まれ、必要な知識・技術を幅広く学ぶことができました。大学院を修了するまでは本当に目まぐるしい毎日で辛いこともありましたが、大勢の人に助けられて現在に至るため、周りの方々に感謝しています。教えていただいた知識・技術は自分の財産となり、この財産を失うことは一生ありません。学生にも、この財産を分けていきたいと思っています」

服部先生学生時代の作品
リロードをかけると動きます

大学広報などの検討委員会にも参加

中部大学Twitter

「2020年に新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、大学で対面での講義を行うことが難しくなり、遠隔授業をどう進めていくべきかを検討する会議に出席しました。それをきっかけに、在学生・教職員向けのポータルサイトのリニューアルや、大学広報などの検討委員会にも参加しています。若手の教職員や学生と議論し『SNSをもっと利用した方が良いのではないか』という意見から、中部大学の公式Twitterが2022年3月に開設されました。今後も教員・職員・学生の枠にとらわれず一緒に話し合い、より良い大学づくりに関わっていきたいと思っています」

メッセージ

服部先生プロフィール

「取りあえず迷ったらやってみましょう。中部大学は自律的な学修研究活動を支援する施設(例えば『ものづくり工房』『工学デザインルーム』『コンピュータ演習室』など)が多く、図書館の蔵書も充実しています。赴任時に図書館を訪れた際に、学術書だけではなく、ジブリのDVDや手塚治虫のマンガもあることに驚きました! 困ったときや、何かに挑戦したいときは助けてくれる教職員が多い、面倒見の良い大学だと思います。最後に、少なくとも試験前だけはしっかり勉強しましょう」

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