2021年10月1日

  • 教員

応用生物学部 食品栄養科学科 津田孝範先生

津田先生メイン

食品機能学、栄養生化学が専門
食品因子の生理機能の解析、食品因子と脂肪細胞機能の研究

プロフィール

津田 孝範(ツダ タカノリ)先生。名古屋大学大学院農学研究科博士前期課程修了。博士(農学)。愛知県の研究技術職員などを経て、2006年4月中部大学に着任。応用生物学部 食品栄養科学科教授。

愛知県生まれ。趣味かどうかわかりませんが、(食品研究の延長線上で)たまにワインを試しています。最近うれしかったことは、誕生日に研究室の学生からワインをプレゼントしてもらったこと。

津田先生を Close Up!

先生の研究内容

材料

「食品機能学、栄養生化学の立場から肥満や糖尿病予防に関わる食品研究を行っています。食品に含まれる『何が効くのか』『何に効くのか』『なぜ効くのか』を明らかにし、『なぜ良いのか』を追及しています。実験では、脂肪細胞や骨格筋細胞などの細胞や、実験動物などを研究で扱っており、他大学や産業界との共同研究も数多く行っています。最近では脂肪を燃やして熱に変え、エネルギー消費を増やす褐色脂肪細胞を増やす食品成分や、運動と併用してその効果を高める食品成分などの研究をしています。具体的な食品成分では、ウコンに含まれるクルクミンやブルーベリーなどに含まれるアントシアニン、ミツバチ産品の一つであるプロポリスなど、幅広く扱っています。オープンキャンパスなどで高校生の皆さんと話すと、こういった身近な食材と健康機能の関係にかなり興味を持ってくれます。私の講義を受講した学生や研究室の学生も、刺激を受けて食材のことや自分自身の健康への意識が高まるようです」

今の研究を始めたきっかけ

津田先生

「もともと食品全般のことや、食べること、栄養に興味がありました。名古屋市内で育ちましたが、子どものころはまだ自宅の周りに自然が残っていて、野原で昆虫採集をしたり川に行って生き物探しをしたりするのが好きでしたし、野菜や果物などの植物にも興味があったので、大学は迷うことなく農学部を選びました。農学には多様な分野や研究領域がありますが、『農学は、良い面を追及して活用する楽しい学問だよ』と当時の先生から聞き、自分の中で模索しながらも興味のあった栄養や食品機能に関わる方向性を見いだして現在に至っています」

運動とアミノ酸混合物摂取の併用による褐色脂肪細胞化の相乗的な誘導に関する研究を発表

研究図

「運動は肥満や糖尿病予防など、多くの良い効果をもたらすことはすでに知られています。脂肪細胞の機能を制御する食品由来因子の研究を行っていたので、運動と併用することでその効果を高める食品の研究、特に現在進めている褐色脂肪細胞を増やす研究に結びつくのでは、と考えこの研究をスタートしました。とは言っても運動に関する研究経験は全くなかったので、当時の学生とゼロからの立ち上げとなりました。アミノ酸混合物の摂取タイミングと実験動物に運動してもらうための適切な方法などがなかなか見つからず、かなり迷走してしまいました。無理な発想だったのでは、とも思いましたが、当時の学生が粘り強く進めてくれ、さらに現在在籍中の院生が仕上げをしてくれたおかげで何とか成果を得ることができました。このアミノ酸混合物のスポーツ飲料は、ある企業より機能性表示食品として市販されています」

先生の学生時代

「学生時代は、人並みに勉強やアルバイト、遊びもいろいろやってきました。悔やまれることは、学生実験にあまりまじめに取り組んでおらず同じ班のメンバーにも迷惑をかけたことです。今教える立場になり、学生を見ていていろいろと思い出します。大学院時代の思い出は、初めての学会発表の日、練習の成果もあり発表はうまくいったのですが質疑応答の際に完全に舞い上がってしまい質問も耳に入らず支離滅裂な回答をしてしまってかなり落ち込んでしまったことです。そんな時に『場数を踏みなさい。自分の研究のことを最も理解しているのは自分自身のはずだよ』と声をかけてもらい奮起したことを覚えています。この話は研究室の学生が初めての発表で緊張している時によく話しています」

メッセージ

津田先生

「月並みではありますが、自分から学んでつかみ取ろうとする気持ちをもっと持って、意識して大学生活を過ごしてみるのはどうでしょうか。自分でアクションを起こさないままくすぶっていては、何も得られないです。また、『知』の引き出しをたくさん持っておきましょう。必要に応じて取り出して土台にしたり、組み合わせたりすることで、新たな方向性が見いだせると思います」

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