2021年12月1日

  • 教員

生命健康科学部 保健看護学科 横手直美先生

横手先生メイン

母性看護学、助産学が専門
帝王切開分娩時のケア、分娩時のトラウマ、マタニティ/ベビーエクササイズの効果などの研究

プロフィール

横手 直美(ヨコテ ナオミ)先生。広島大学大学院医学研究科博士後期課程満期退学。修士(保健学)。中部大学生命健康科学部 保健看護学科が設置された2006年に助手として着任。2009年に一度中部大学を離れ、日本赤十字広島看護大学助産師教育課程で准教授として勤務したのち、2011年4月、再度中部大学に着任。生命健康科学部 保健看護学科准教授。

熊本県生まれ。好きな食べ物は、実家から届く熊本名産の馬刺しや季節の果物。ご主人とお義母さまと娘さん2人の5人家族。娘さんは読書が好きで家には260冊の絵本があり、嫁入り道具として持たせたいと思っている。

横手先生を Close Up!

先生の研究内容

「日本では5人に1人の赤ちゃんが、お母さんのお腹を手術で切って生まれてくる、帝王切開という方法で生まれてきます。母子の安全のために選択される方法ですが、お母さんは心身の痛みを伴うため、その痛みを最小限にして出産を心から喜び、前向きに育児に取り組めるような看護ケアを研究しています。病院や自治体が行っている母親教室などで、妊婦さんが緊急帝王切開に対する知識を得て、バースプラン(出産計画)の代替案も考えておくことで、緊急帝王切開に対する心構えができるようになります。なるべく多くの妊婦さんに帝王切開について知ってもらい、安心して出産できる環境づくりをするためにはどうしたらよいか、今後も研究を進めていきたいです」

横手先生著書

先生が携わった著書。左から:『帝王切開で出産したママに贈る30のエール: もやもやを消し、自分らしさを取り戻す』(中央法規出版)、『ママのための帝王切開の本―産前・産後のすべてがわかる安心ガイド』(中央法規出版)

小冊子

先生が書かれた小冊子『お産のときの「もしも」に備えよう 緊急帝王切開について』

今の研究を始めたきっかけ

横手先生

「助産師として勤務していた病院が日本で3番目にお産が多い病院で、多くの分娩介助を行ってきました。その中には、赤ちゃんが危険な状態になり緊急帝王切開となることもありました。緊急帝王切開は、心の準備ができていない中お腹を切るので強い不安を伴います。そのため、出産に対してトラウマになってしまうことを心配し、緊急帝王切開で出産したお母さんたちに話を聞いたことがこの研究を始めるきっかけでした」

子育てセミナーの開催

「長女を妊娠中に、赤ちゃんのマッサージとエクササイズのインストラクター資格を取得しました。その資格を生かして『ママもベビーもハッピーになれる』を目標に、子育てセミナーを学内で開催していて、今年11周年を迎えました。たくさんのかわいい赤ちゃんと素敵なお母さんに出会えたこともうれしかったのですが、何よりもこのセミナーに参加したことで産後うつのリスクが低くなることがアンケート結果で分かったことがとてもうれしかったです。このセミナーでは、幼児教育学科、スポーツ保健医療学科の先生や学生の皆さんとのコラボレーションもあり、毎回いろいろな発見があり楽しいです。例えば幼児教育学科は、月齢別にどんなおもちゃを与えたらいいかなど、幼児教育についての講座を、スポーツ保健医療学科は、赤ちゃんが誤飲した時など、いざというときの対処法を分かりやすく説明する講座を開きました。このセミナーを通して、学生がそれぞれの学科の専門性を発揮してくれたことをとても頼もしく思いました。2020年、2021年はコロナ禍での開催となったので、オンラインセミナーに挑戦しました。慣れない作業で準備は大変でしたが、参加したお母さんたちに『小さいおもちゃも見やすかった』『お父さんも参加できた』『家なので落ち着いて参加できた』など喜びの言葉をいただき、とてもやりがいを感じました」

たっち

赤ちゃんの発達段階を見極めながら、たっちの練習をしているところ。

飛行機

「ひこうき」のポーズのデモンストレーション。赤ちゃんは背筋と体幹のトレーニング、ママは腹筋のトレーニングになります。

ロサンゼルス看護研修の引率

「2019年の8月31日から9月9日までの10日間、保健看護学科の3年生20人が参加したアメリカ・ロサンゼルスでの看護研修を引率しました。学生たちは、研修校であるカリフォルニア州立大学ロングビーチ校で、英語のレッスンやアメリカのヘルスケア・システムについての講義を受講したり、看護学部の実習室を見学し、ミニレクチャーを受けたりしました。また、退役軍人のための公的なヘルスケア施設や、高齢者施設なども見学し、最終日には、ロサンゼルス郡で2番目に大きい病院である、セントフランシスメディカルセンターを訪問し、代表の学生が英語でスピーチを行ったり、救急救命室や集中治療室、バースセンターを見学したりしました。学生たちとアメリカの社会や文化を体験しながら楽しく研修できたことは、とても良い経験になりました。私自身も、専門分野であるマタニティケアについて、現地の助産師と意見交換する機会もあり、日本でのケアのあり方を見つめ直すことができました」

アメリカ研修

セントフランシスメディカルセンター前で(左端が横手先生)

先生の学生時代

「当時としては珍しい総合大学の看護教育課程だったので、部活や大学祭などで学部を超えて多くの友人ができました。また女子バスケットボール部のマネージャーをやっていたのですが、教員養成課程の部員が教育実習を行う時期は、試合があっても出場できる部員が足りずマネージャーなのに試合に出場したこともありました。男子バスケットボール部と合同で合宿や遠征を行った時などは、50人以上の部員の宿泊や移動の手配、スケジュール調整、練習補助などを男子バスケットボール部のマネージャーと協力しながら頑張りました。学科の勉強も、看護師・養護教諭・小中高の保健教諭・准看護師の教員免許を4年間で取得するために必死に勉強しました。我ながら、大学での4年間はよく頑張ったと思います」

メッセージ

横手先生

「コロナ禍による先行きが見えない不確実な毎日が続く中で、今自分がやっていることに意味があるのだろうかと思ってしまうことがあるかもしれません。そんな時は、とにかくやってみるのも良いのではないでしょうか。迷っているくらいなら、前へ踏み出してみてください。思ったような結果が得られなくても、何か発見があれば、それは失敗ではなく成功だと思います。だから、とにかく挑戦し続けてほしいです」

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