2022年2月1日

  • 教員

工学部 応用化学科 守谷せいら先生

守谷先生メイン

有機―無機複合材料、高分子構造・物性が専門
高機能・高性能を有する高分子系複合材料の開発・研究

プロフィール

守谷 せいら(モリヤ セイラ)先生。神戸大学大学院 工学研究科 応用化学専攻博士課程後期課程修了。博士(工学)(神戸大学)。日本学術振興会特別研究員、名古屋大学博士研究員を経て、2015年4月中部大学に着任。工学部 応用化学科講師。

滋賀県生まれ。趣味は子どもと遊ぶことで、休日はお子さんと戦隊ショーを見に行ったりする。お子さんのおもちゃが壊れたときは先生が修理することも。好きな食べ物は、サツマイモ、カボチャ、栗、フルーツ全般。特に焼き芋はお子さんも大好きで、冷凍庫には常に焼き芋のストックがある。

守谷先生を Close Up!

先生の研究内容

「私の研究室では、『高分子系複合材料』に関する研究を行っています。『高分子系複合材料』とは、高分子材料であるプラスチックやゴム材料などを母材にして、ガラス繊維などの物理的に異質で機械的に分離できる2種類以上の材料を組み合わせることでできる『高分子らしからぬ高分子材料』のことです。それぞれの材料の長所を融合することで短所が補われ、各材料間での相互作用などで相乗効果が引き出され、単一材料では得られない非常に優れた特性が見いだされます。例えば、高分子特有の柔軟性を保持したまま、鉄のように強い高分子材料、電気をよく伝える高分子材料、熱をよく伝える高分子材料など、高分子だけでは得られない物性を発現させています。現在は、高分子に充てんする材料としてカーボンナノチューブやグラフェン、ナノダイヤモンドなどのナノカーボンと呼ばれる材料を中心に用いて、自動車、航空・宇宙、電気・電子、医療、食品等の多彩な産業で利用できる材料の開発を進めています」

守谷先生研究図

研究を始めたきっかけ

守谷先生

「父が大学の教員で、子どものころから父の研究する姿を見て育ち、自分も大学教員になって研究をしたいと考えるようになりました。高校生のころは化学が苦手だったので、まさか自分が化学の研究者になるとは思ってもみませんでしたが、いろいろな要因が重なって応用化学科に入学し、学んでいくうちにだんだん化学が好きになっていきました。研究室を決める際、化学と一言で言っても有機化学、高分子化学、無機化学など、さまざまな分野があり、どの研究をしようか非常に迷いましたが、たまたまメンバーに空きがあった高分子材料を扱う研究室に入ることになりました。指導教授の西野孝先生は研究のアイデアが豊富で、話もとても面白く、研究が楽しくてどんどんのめり込んでいきました。自分で材料を作り、その構造・物性を調べてそのメカニズムを考え、検証していくというプロセスにやりがいを感じ、研究をずっと続けていきたいと考えるようになりました」

2021年度 伊藤早苗賞を受賞

「伊藤早苗賞を受賞し、これまで自分のやってきたことを認められたことが大きな自信になりました。また、この賞の名に恥じぬよう、研究を続けていこうという励みにもなりました。受賞後の懇談会で、他の受賞者の方々とお話する機会があり、そのときに感じたのは、皆研究が好きで、楽しんでやっているということでした。これからも楽しみながら研究を続けていくとともに、多くの学生に研究の楽しさを知ってもらえるよう、指導を頑張っていきたいです」

伊藤早苗賞受賞

伊藤早苗賞の授賞式(前列左から2番目が守谷先生)

先生の学生時代

「大学では、1年生からバドミントンサークルに所属し、3年生まで積極的に取り組みました。3年生の時には副部長として、春と夏に行われる合宿の宿泊先や練習場所の手配をしたり、他校との試合の日程調整などを行ったりしました。4年生になり研究室に所属してからは、研究に没頭するようになりました。土日祝日関係なく毎日研究室に通い、『趣味は研究』と豪語していました。また、研究の成果が出ると研究を頑張った自分へのご褒美も兼ねて、国内外の学会にたくさん参加しました。研究について他機関の研究者と話をしたり、学会の合間に観光に出掛けて現地の方との交流を楽しんだりし、友人もたくさんできました」

恩師と

神戸大学学生表彰式にて、恩師の西野孝先生と(左が守谷先生)

スウェーデン留学

「博士課程2年の時スウェーデンに1年間、『セルロースナノファイバー』という植物の構造の骨格を成している基本物質『セルロース』を応用した繊維材料を扱う研究室に留学に行きました。留学先では研究だけではなく、留学中にできた友人とスウェーデン北部へオーロラを見に行ったり、スキーに行ったりしてとても充実した時間を過ごしました。ただ、日本と違ってとても困ったことは、特に首都のストックホルムでは賃貸物件が少なく、住居を探すのにとても苦労したことです。ストックホルム郊外で住む場所を見つけるまでの間、格安のホテルや、仲良くなった同じ研究室の人が留学に行っている間部屋を貸してもらったりしてなんとかしのぎました。苦労もしましたが、留学は私の中でとても楽しかった大切な思い出です」

留学

留学先の研究グループの仲間と(前列左から2番目が守谷先生)

オーロラ

オーロラ観賞旅行での1枚

メッセージ

守谷先生メッセージ

「自分が面白いと思ったことや好きだと思ったことは長く続けられると思います。しっかりとアンテナを張って面白そうなことを見つけ、どんなことにも勇気をもってチャレンジしてみてください。また、苦手だと思っていることもやってみたら面白くなるかもしれません。何事も楽しんでみようという気持ちでいろんなことに取り組んでみてください」

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