発表概要
中部大学生命健康科学部生命医科学科の新谷正嶺准教授は、人工知能(AI)などを活用する情報検索システムを評価する国際会議CLEF(クレフ)の一部門で最終順位1位を獲得しました。1位となったのは、CLEFの生物多様性情報学分野部門「LifeCLEF」の5課題のうち、農作物の病害、害虫、宿主植物、地名などの関係を知識グラフとして抽出する「PestCLEF」に応募したAI情報抽出システムです。評価結果は、米グーグル社が運営するオープンプラットフォームKaggle(カグル)で公開されました。総提出数は320件でした。
今回開発したシステムは、文章から関係情報を取り出すAI情報抽出モデルです。植物病害や害虫に関するニュース記事・公的発表などの文章を入力すると、文章中に登場する病害、害虫、植物、媒介生物、発生地域などを見つけ、それらの関係を一覧として出力します。
例えば、『ある地域で、媒介昆虫Aが病原体Bを広げ、カンキツ類に病害Cを引き起こした』という文章であれば、『媒介昆虫Aは病原体Bを媒介する』『病原体Bは病害Cの原因となる』『病害Cはカンキツ類に影響する』『病害Cはその地域で報告された』といった関係、知識グラフとして整理します。
このように、長い文章の中に散らばっている病害名、害虫名、植物名、地名、日付などを自動的に見つけ、それらの関係を整理することで、専門家が多数の記事を一つずつ読む前に、重要な発生情報や関係性を把握しやすくなります。
農作物病害や植物害虫の情報は、ニュース記事、行政発表、専門機関の情報など、さまざまな場所に分散しており、同じ病害や害虫でも複数の名前・略称・地域名で表現されます。AIにより関係情報を整理できれば、農作物病害の監視、植物防疫情報の整理、研究者間の情報共有に役立つ可能性があります。
今回の成果は、ワークノートの提出と主催者による確認作業を経て、CLEFが今年9月21日からドイツのイエナ市で開催する国際大会CLEF2026で関連成果として報告される予定です。新谷准教授は今後、今回得られたAIによる知識抽出・体系的整理の手法・経験を、生命医科学や農業情報などの研究支援へ展開する可能性を検討します。
お問い合わせ
【発表内容について】
新谷正嶺(しんたに せいね) 中部大学 生命健康科学部 生命医科学科 准教授
電子メール:s-shintani[at]fsc.chubu.ac.jp ※アドレスの[at]は@に変更してください。
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