中部大学創発学術院は2016年に、当時の飯吉厚夫理事長と山極壽一京都大学総長との合意に基づき、森重文京都大学特別教授(1990年フィールズ賞)はじめ著名な研究者を中部大学に招聘する形で設立されました。爾来、津田一郎教授(中部大学名誉教授、現札幌市立大学特任教授)を中心として、特に数理科学関連分野の先端的研究を展開してきました。
学校法人中部大学では、アカデミックブランディングを掲げ、学園の強みであるユニークな研究の数々を広く社会にアピールする活動を行っているところですが、創発学術院はアカデミックブランディングの旗手の一つと位置付けられます。
数学および数理科学的解析手法は、理工系の分野に留まらず、生命科学や人文社会科学のさまざまな分野においても今や欠かせないものとなっています。創発学術院はAI数理データサイエンスセンターとともに、中部大学の数理科学・情報科学の研究教育を牽引する立場にあります。また、高校生や中学生を対象とするJST数学キャラバンを実施して、併設校の生徒たちに最新の数学に触れる機会を提供しています。
インハウスの研究教育活動としては数理科学関連分野に注力する一方で、定期的に開催している創発学術院セミナーでは多様な分野の第一線の研究者による講演と討論を通じて、中部大学の教員および学生が研究の視野を拡げることに貢献しています。また、全学共通科目「科学技術と社会」の中でオムニバス形式の「創発講義」を開講し、学生が多様な分野の学術知の先端に触れる機会を提供しています。
中部大学創発学術院長 家 泰弘

家 泰弘(Yasuhiro IYE)
■ 学校法人中部大学 副理事長、創発学術院長
京都府出身
東京大学理学部物理学科卒、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了、理学博士(東京大学)
東京大学物性研究所助手、米国AT&Tベル研究所研究員、米国IBM T.J.ワトソン研究所研究員を経て、
1985-2015年 東京大学物性研究所 助教授、教授、所長
2015-2021年 日本学術振興会 理事
2021年-現在 学校法人中部大学 理事・副総長、副理事長・総長
この間、文部省学術調査官、日本学術会議会員・第三部部長・副会長、日本物理学会会長、文部科学省学術審議会専門委員・臨時委員、
文部科学省政策評価有識者会議委員等を歴任