生体の仕組みを工学的手法で学ぶ
心電計やX線撮影装置などは古くから工学的手法により生体の仕組みを解明する医用機器として用いられてきました。最近では、この研究成果が多くの検査機器、人工臓器や生命維持管理装置などの開発を促し医療(臨床)の現場で積極的に用いられ新たに医用工学・臨床工学という学問領域が誕生し、脚光を浴びています。また、医療の現場では、工学的知識を備えたうえで、これら医療機器を操作・管理する職種が生まれています。この専門職種に携わる人を臨床工学技士といいます。
中部大学工学部の50年にわたる伝統や教育実績と併設する技術医療専門学校における臨床工学技士養成の経験や実績を継承して本年4月生命健康科学部に新しく臨床工学科が設置されました。
医療系で唯一“工学”を基盤とする国家資格は臨床工学技士である
臨床工学科では、初年次に豊かな人間性を備え、幅広い総合性と高い専門性を修得するために生命健康科学部共通の講義を行います。その後、医療と工学関連の専門基礎科目の講義、実習を行います。特に、臨床工学の基礎実習は、工学部の教員が工学部の実習室で直接指導にあたります。次いで、学内実習や医療現場における臨床実習を通して最先端の医療技術の操作・管理を的確に行うことができ、機器開発能力や問題解決能力が習得できる専門職業人や教育・研究者を育成します。
現在、多くの医療施設の臨床現場では、高度化・精密化する医療機器の導入に積極的です。今後、電気・電子工学、機械工学、情報処理工学などの工学と生命科学の知識と技術を習得した新しいタイプの臨床工学技士として医療施設や医療機器の開発分野で活躍が期待されます。