2021年4月1日

  • 教員

国際ESD・SDGsセンター 古澤礼太先生

古澤礼太先生メイン

ESD(持続可能な開発のための教育)やSDGs(持続可能な開発目標)活動を推進
文化人類学、アフリカ地域研究が専門

プロフィール

古澤 礼太(フルサワ レイタ)先生。名古屋大学大学院 文学研究科 比較人文学講座 博士後期課程満期退学。2007年4月に中部大学に着任。国際ESD・SDGsセンター准教授。

福岡県生まれ。趣味は料理、ディスカウントストアでの買い物。得意料理は、好きな食べ物でもあるサンショウを効かせた麻婆豆腐。

古澤先生を Close Up!

先生の研究内容

古澤先生

「最近テレビや新聞などでよく目にするSDGsと、ESDの推進を行っています。SDGsとは、地球規模の17の課題に取り組み、それを解決することでより良い社会を目指す国際的な共通目標のことです。「より良い社会」の実現には、持続可能な発展(SD: Sustainable Development:)が必要です。つまり、SDGs とはSDを達成するためのゴール(G)なのです。そして、SDやSDGsを実現するための人材育成をESD(E:Education=教育)と呼びます。現代社会の課題解決につながる新たな価値観や行動を生み出す学習や活動のことです。中部大学では2007年からこれらの活動が始まり、私は着任当初から携わっています」

研究を始めたきっかけ

「大学院時代に開催された愛・地球博(2005年日本国際博覧会)で、7カ国9人の学生が地球の未来について語る『愛・地球会議』クロージングフォーラムの日本人学生代表の1人に選ばれました。愛・地球博からのメッセージとして『持続可能な社会の形成に向けての本質的な課題』と『自分自身がコミットして実行できること』を自分たちの言葉で発信するために話し合いました。この時にESDのことを知り、持続可能な社会づくりのための『多様性の愛し方』という共同宣言を発表しました。現在でも、その宣言にコミットするために活動を続けています」

愛・地球博

愛・地球博からのメッセージ『多様性の愛し方』を発表(左から4人目が古澤先生)

国際ESD・SDGsセンター、中部ESD拠点での取り組み

「中部大学では、総合大学の強みを生かし、さまざまな課題を総合的に学ぶ、7学部横断型のESDやSDGsの活動を推進しています。具体的には、『持続学のすすめ』という講義や、文系・理系の枠を超えたESD・SDGs研究・活動発表会の企画運営などを担当しています。学外の活動では、『中部サステナ政策塾』を開催し、各分野の第一人者による講演や、伊勢・三河湾流域圏を活動対象地としたフィールドワークなどを行い、持続可能な地域のための政策立案・提言ができる人材を育成しています。また、愛知学長懇話会にSDGs企画委員会を設置し、事務局を中部大学国際ESD・SDGsセンター内に置いて、愛知県内51大学の横断型SDGs活動を支援しています」

ESD・SDGs発表会

第11回 中部大学ESD・SDGs研究・活動発表会

先生の学生時代

「アメリカの大学で、アフリカン・アメリカン・スタディーズ(黒人学)を学びました。ある日、授業中にアフリカ出身の先生が一夫多妻制について話をしたとき、数名のアメリカ人学生が笑い始めました。すると、アフリカ出身の女子留学生が急に立ち上がって、「私には4人の母親(父の4人の妻)がいるけれど、4人とも私にとって大切なお母さんなのよ」と叫んで、笑う学生を制したのです。その時に、自分にとっての常識が常識ではないということを痛感し、アフリカ文化に興味が湧きました。その後大学の夏期講座でアフリカのガーナに3週間滞在し、ガーナの研究をするきっかけになりました」

アフリカの人形

アフリカで集めた植民地にまつわる木彫品

メッセージ

古澤先生メッセージ

「SDGsやESDのグローバルな課題解決と聞くと、途上国支援など、海外へ出かけっていって活動するというイメージがあるかもしれませんが、グローバルはローカルの集合体です。海外にも地元の地域にも、地球規模の課題解決のためのフィールドは広がっています。大学での専門性を深めながら、他分野の研究や活動に関心を持って、まずは日本国内のさまざまな現場に足を運んでみてください」

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