2022年11月15日

  • 教員

人文学部 コミュニケーション学科 河村陽介 先生

河村先生メイン

情報デザイン、メディアアートが専門
メディア表現を活用した地域文化再考、移動型ラボを用いた創作活動の研究

プロフィール

河村陽介(カワムラ ヨウスケ)先生。名古屋工業大学大学院工学研究科社会工学専攻博士前期課程修了。修士(工学)。名古屋産業大学講師を経て2022年に中部大学着任。人文学部コミュニケーション学科講師。

愛知県生まれ。昨年、子どもが生まれて家の中がにぎやかに。好きな食べ物はイチジク。趣味は美術館に行くこと、旅行、自作のカメラ付きのカイトを揚げること。

河村先生を Close Up!

先生の研究内容

河村先生お話中

「地域の伝統文化や資源をメディア表現(映像や音)などを取り入れて再考し、新しい価値観を発見する作品づくりをしています。例えば、2020年にオンライン展示で開催された『とよたハックキャンプ』ではさまざまなクリエイターが参加し、豊田市の地域資源などを使ってアート作品を作り、オンラインで交流をしました。私は豊田市のダムで拾った流木や、森林組合の間伐材などを使い、自動演奏をする楽器を作り、実際に自然の中で音を奏でる様子を動画に収録して配信しました。また、美術館などの施設から依頼を受け、ワークショップを企画したり、プロジェクションマッピングを制作するなど、メディア表現と社会をつなぐ研究活動を行っています」

研究を始めたきっかけ

「名古屋市天白区の自然豊かな地区で幼少期を過ごし、一人遊びや絵を描くことが好きな子どもでした。芸術系の大学(愛知県立芸術大学)に通っていたので日頃から何かを制作する、という毎日を過ごしていましたが、恩師の影響もあり、次第にデジタルコンテンツに興味が移行していきました。その後、地域の文化や魅力を再考するプロジェクトに参加し、クリエイターや学生などと共同して制作を行ううちに、自分で制作するだけでなく、よりインタラクティブ(双方向)なものづくりやプロジェクトに多く携わるようになりました」

愛知県陶磁美術館で行われたナイトミュージアム企画について

「愛知県陶磁美術館が『リ・デザイン・狛犬』という、所蔵している陶製狛犬の魅力をより多くの人伝えるためのプロジェクトを行っており、そのプロジェクトの一環として依頼を受けました。依頼内容はメインロビーに集合した狛犬をただ見るだけではなく、ナイトミュージアムツアーにしたいというものでした。私はナイトミュージアムツアー全体の監修と、学生がアイディアを出した演出の指導、陶製狛犬へのプロジェクションマッピングの制作・上映などを行いました。ナイトミュージアムツアーは2022年8月26~28日の3日間開催され、27日は前座として地元のこどもたちが太鼓演奏を披露し、会場を盛り上げていました。ツアー参加者にはブラックライトを持って歩いてもらい、壺に落書きをしているような感覚を楽しむ仕掛けや、陶磁器に映し出された映像を楽しんでもらいました。メインとなる狛犬の展示には『新しい価値観の狛犬が生まれる=生まれたときのあいさつ』をイメージし、さまざまな国のあいさつをプロジェクションマッピングで映し出しました。このプロジェクトには中部大学と名古屋産業大学のゼミ生が参加し、各々の展示担当箇所についてオンラインで中間報告をするなど、交流する機会もありました」

先生の学生時代

河村先生の作品
ミシンを操作すると音と映像が紡ぎ出される作品(学生時代の作品)

「学生時代の先生方は90年代、すでに今の日本のメディアアートの前身となるような作品を発表していました。その先生方の作品に大きな影響を受け、メディアアートについて研究や制作を行うことで、学生時代に今の活動の基盤を作ることができました。今ほどパソコンなどのデジタル機器が普及していなかったので、本格的にパソコンを使い始めたのは大学3年生の頃でした。映像編集をするにしてもパソコンの処理速度が遅いことや、一度にハードディスクに保存できる容量が少ないことなど、今よりずっと苦労してやりくりをしていました。デジタル環境の大きな変化を体感することができた時代でした」

メッセージ

河村先生プロフィール

「ワークショップやプロジェクトに参加してくれる学生は大歓迎です。一緒に何かをつくるということはお互いに学びあえる良い機会になると思います。今はスマートフォンひとつでデジタルコンテンツを作ることができる便利な時代ですので、まずは発想力を養ってほしいです。いろいろなところに足を運び、面白いことをたくさん吸収し、自分の引き出しを増やしてほしいと思います。技術は後からでも身につきます」

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