大腸菌検査キット

お知らせ

    院内感染原因菌である薬剤耐性大腸菌の遺伝子解析キットの実用化

    愛知県衛生研究所と中部大学の共同研究としての社会実装(2016年6月)

    • 愛知県衛生研究所
    • 中部大学 応用生物学部 客員教授 倉根 隆一郎
    • 関東化学株式会社

    研究開発概要

    薬剤耐性菌は世界的な問題と位置づけられており、対策が遅れると感染が拡散するため速やかな感染源特定が必要です。薬剤耐性菌対策は2016年5月に開催されたG7伊勢志摩サミットにおいても重要課題として挙がっています。また、2016年4月には日本で初めて薬剤耐性に関するアクションプランが決定され、薬剤耐性菌に関する動向調査の強化や薬剤耐性感染症の集団発生への対応力強化が挙げられており、大腸菌に関しては耐性菌の割合削減の目標設定がされています。この削減には、院内感染の適切な対応や発生動向調査を効果的に実施する必要があり、より迅速かつ正確な遺伝子解析に基づく検査方法が必要です。2012年から開始された共同研究の結果、マルチプレックスPCR法を用いて複数の特定遺伝子を同時に増幅し、電気泳動パターンを元に大腸菌の遺伝子型を迅速に決定する方法を開発しました。本キットの利用により、薬剤耐性大腸菌の集団発生への対応能力の大幅な強化が期待できます。関東化学株式会社が製品化、2016年6月1日に販売開始されています。

    大腸菌遺伝子解析キット
    大腸菌遺伝子解析キット