出版物

お知らせ

    石井洋二郎教授(創造的リベラルアーツセンター長)編『リベラルアーツと外国語』が水声社より出版されました。2021年5月に中部大学で行われたシンポジウムと9人の識者のエッセイを収録し、細田衛士副学長、鈴木順子准教授が執筆しています。

    (以下、水声社のブログから転載)

    リベラルアーツと外国語

    石井洋二郎(編)
    「役に立つ外国語」から、「他者理解の想像力」へ――
    外国語教育はなぜ必要なのか?言語教育にたずさわる3人によるシンポジウムと、9人による識者の論考から考える。コミュニケーションのための外国語から、リベラルアーツとしての外国語に至るための第一歩。前著『21世紀のリベラルアーツ』につづく、「創造的リベラルアーツ」の第2弾。

    リベラルアーツと外国語
    リベラルアーツと外国語

    目次

    はじめに
    石井洋二郎

    シンポジウム

    リベラルアーツと外国語
    鳥飼玖美子/小倉紀蔵/ロバート キャンベル/(司会)石井洋二郎

    リベラルアーツと語学教育と自由間接話法

    阿部公彦

    自由になるためのリベラルアーツ

    佐藤嘉倫

    記者にとっての外国語―自分と読者の社会を相対化する視点として

    大野博人

    言葉のネットワークを往復するということ

    藤垣裕子

    橋をかけるリベラルアーツ―他者と共に飛び立つための外国語

    鈴木順子

    「私」はどこにいるのか

    細田衛士

    森鷗外の訳詩からリベラルアーツを問う

    坂井修一

    外国語は存在している

    國分功一郎

    詩という謎語をめぐって―機械翻訳の時代におけるリベラルアーツとしての

    言語教育
    田中純

    倫理としての想像力—「あとがき」に代えて 石井洋二郎

    編者・執筆者について

    石井洋二郎(いしいようじろう)

    中部大学教授・東京大学名誉教授(フランス文学・思想)。著書に、『ロートレアモン 越境と創造』(筑摩書房、2009年、芸術選奨文部科学大臣賞)、編著に、『21世紀のリベラルアーツ』(水声社、2020年)、訳書に、ブルデュー『ディスタンクシオン』(藤原書店、1991年、渋沢・クローデル賞)などがある。

    鳥飼玖美子(とりかいくみこ)

    立教大学名誉教授・中京大学客員教授(英語教育学・異文化コミュニケーション学)。著書に、『10代と語る英語教育』(ちくまプリマー新書、2020年)、『異文化コミュニケーション学』(岩波新書、2021年)など。

    小倉紀蔵(おぐらきぞう)

    京都大学大学院教授(東アジア哲学)。著書に、『心で知る、韓国』(岩波現代文庫、2012年)、『韓国の行動原理』(PHP新書、2021年)など。

    ロバート キャンベル(Robert Campbell)

    早稲田大学特命教授・東京大学名誉教授(日本文学)。編著に、『東京百年物語』(岩波文庫、2016年)、『日本古典と感染症』(角川ソフィア文庫、2021年)など。

    阿部公彦(あべまさひこ)

    東京大学大学院教授(英米・英語圏文学)。著書に、『文学を〈凝視〉する』(岩波書店、2012年、サントリー学芸賞)、『病んだ言葉 癒す言葉 生きる言葉』(青土社、2021年)など。

    佐藤嘉倫(さとうよしみち)

    東北大学大学院教授・京都先端科学大学教授(社会学)。著書に、『ワードマップ ゲーム理論』(新曜社、2008年)、編著に『ソーシャル・キャピタルと社会』(ミネルヴァ書房、2018年)など。

    大野博人(おおのひろひと)

    ジャーナリスト。元朝日新聞ヨーロッパ総局長。著書に、『民主主義って本当に最良のルールなのか、世界をまわって考えた』(共著、東洋経済新報社、2014年)、『パンデミック以後』(共著、朝日新書、2021年)など。

    藤垣裕子(ふじがきゆうこ)

    東京大学大学院教授(科学技術社会論)。著書に、『専門知と公共性』(東京大学出版会、2003年)、『21世紀のリベラルアーツ』(共著、水声社、2020年)など。

    鈴木順子(すずきじゅんこ)

    中部大学准教授(フランス語圏思想・文学)。著書に、『シモーヌ・ヴェイユ 「犠牲」の思想』(藤原書店、2012年)、『別冊水声通信 シモーヌ・ヴェイユ』(共著、水声社、2017年)など。

    細田衛士(ほそだえいじ)

    中部大学教授・慶應義塾大学名誉教授(環境経済学)。著書に、『グッズとバッズの経済学』(東洋経済新報社、1999年)、『環境と経済の文明史』(NTT出版、2012年)など。

    坂井修一(さかいしゅういち)

    歌人・東京大学大学院教授(情報理工学)。著書に、『ITが守る、ITを守る』(NHK出版、2012年)、『森鷗外の百首』(ふらんす堂、2021年)など。

    國分功一郎(こくぶんこういちろう)

    東京大学大学院教授(哲学)。著書に、『中動態の世界』(医学書院、2017年、小林秀雄賞)、『21世紀のリベラルアーツ』(共著、水声社、2020年)など。

    田中純(たなかじゅん)

    東京大学大学院教授(思想史・表象文化論)。著書に、『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』(青土社、新装版2011年、サントリー学芸賞)、『デヴィッド・ボウイ』(岩波書店、2021年)など。

    関連書

    21世紀のリベラルアーツ

    石井洋二郎編 執筆=藤垣裕子・國分功一郎・隠岐さや香
    2,500円+税

    「何を学ぶか」から、「学ぶ態度」の養成へ―。
    複雑化する社会に対応するためのベースとなる〈考え・学び・対話する〉ことの必要性を改めて問い直し、リベラルアーツ教育が向かう先を現場から模索する。各論者による提言に加え、シンポジウムと対談を通して考える。