学部長メッセージ

お知らせ

    生命健康科学部はひとの命と健康を守る心優しい医療人の育成を目指します

    生命健康科学部長 城 憲秀
    生命健康科学部長 城 憲秀

    中部大学生命健康科学部は、2006年4月に設立されました。当時、学部の中心的存在であった中島泉先生は設立の目的を次のように語っていました。「科学文明の進展と医学の進歩によって日本は世界に冠たる長寿の国となりました。しかし一方で、この成果そのものが原因となる健康・医療上の新たな問題に直面してもいます。その特徴は、高齢者を中心に多数の人たちが医療のケアを必要とし、また健康不安を訴えるところにあります」、そして、「その打開をするため、第一は疾病の「予防」の専門家を育成すること、第二は、健康・医療上の難問に立ち向かえる医学・医療の基本に精通し、問題(課題)を解決するために必要な方法(技術)を修得した複合的な専門家を育てること、そして、第三は先端医療だけでなく地域医療の領域で高い専門性を有し、自律性をもってケア(キュアではなく)ができる看護師、保健師を育成すること」が重要という認識から、本学部は、「予防」や「ケア」をキーワードとし、その専門家を育てることを主たる任務にされました。ここでいう予防というのは、いわゆる健康増進や疾病予防の段階である1次予防から社会復帰を意味する3次予防までを包含する広い概念としてとらえてください。

    現在、わが国を含めた世界中が新型コロナ感染症の流行という未曽有の健康危機に直面しています。感染症によってこれほどの問題が日本でおきるとは、コロナ流行まで予測している人はそれほどいませんでした。感染症はほぼ克服したという傲慢な思い込みのなかに日本人はいたように感じます。国は、新興感染症、再興感染症などを考えた施策を事前に計画していましたが、現実感をもって対応してきたかは不明なところがあります。この流行を防ぐには、治療法が確立されることが必要でしょうし、さらに重要なのは予防をしっかりしていくことだと思います。予防という点においては、感染症のみならず、少子高齢社会のわが国においては生活習慣病対策に対して重要なことは論を待ちません。さらに、こどもの成育に対しても予防を見据えた健康管理は有用です。

    生命健康科学部では、「予防」に幅広く関わる保健・医療関連の6学科(生命医科学科、保健看護学科、理学療法学科、作業療法学科、臨床工学科、スポーツ保健医療学科)を設置しており、総合大学の特色を生かしつつ、洗練された教育スタッフにより、専門的な知識・技術の修得のみならず誰とでも優しくコミュニケーションできる能力を備えた「心豊かな医療人」を育成することを目標としています。また、それぞれの学科において国家資格を目指します。それぞれの学科を修了すると表のような国家試験受験資格が取得できます。

    生命健康科学部で取得できる国家試験受験資格
    生命医科学科:臨床検査技師*
    保健看護学科:看護師、保健師*、養護教諭**
    理学療法学科:理学療法士
    作業療法学科:作業療法士
    臨床工学科:臨床工学技士
    スポーツ保健医療学科:救急救命士*
    • ただし、*は課程単位修得者のみ、**は教職課程の単位修得により教員免許取得

    国家資格を取得した人の多くは、病院などの医療機関、公務員(消防・救急救命士)に就職し、臨床の場で患者さんや障がいを持った人々のために力を尽くしています。その他にも医科学研究、保健・医療・福祉・スポーツ関連職種などの分野で部署を牽引する人間として活躍する卒業生も大勢います。まさに、本学部の当初よりの目的である「予防」と「ケア」に関わって多岐にわたる分野で活躍する人間が育っています。

    さらに医科学・健康関連の研究を進めたい人や高度な医療専門知識・技術を身につけたい人のために、本学部は大学院として生命健康科学研究科を設置しています。大学院は生命医科学専攻(博士前期・後期課程)、看護学専攻(修士課程)、リハビリテーション学専攻(修士課程)、保健医療学専攻(修士課程)の4専攻から成り立っています。それぞれの専攻では最先端の関連知識・技術の教育と研究が推進されています。

    このように生命健康科学部では医科学・保健医療分野の発展に貢献できる多様な人材を育成しています。このキャンパスでともに学ぼうと考えている皆さんをお待ちしています。